勉強できる大人は、勉強以外に “〇〇” している。勉強力を上げてくれる3つの日常習慣

勉強できる大人が勉強以外にやっていること01

「ずっと椅子に座って勉強しているが、一向に成果が出ない」
「プライベートを犠牲にして資格勉強に励んだものの、合格できなかった」

これらに思い当たる人は「勉強ができるようになるには、一日中ずっと勉強しなければならない」と考えているかもしれません。

しかし専門家たちは、この考えに「NO」を突きつけます。脳のためには、勉強以外のことをして過ごす時間も大切だというのです。その理由と、勉強以外にぜひするべきことを3つご紹介しましょう。

“勉強一本筋” だとかえって結果を出しにくい理由

勉強一本筋の人が結果を出しにくい理由は、じつにシンプル。勉強以外の時間をおろそかにすると、脳の働きを高める行動を「しない」ことになってしまうからです。

脳神経外科医・築山節氏の著書『脳が冴える15の習慣: 記憶・集中・思考力を高める』によると、記憶力や集中力といった勉強に必要な脳機能は、日々の生活によってパフォーマンスが左右されるそう。

だからこそ、「効率よく覚えたい」「集中して学習したい」なら、脳によいことを生活へ取り入れる必要があるとの見解を築山氏は示します。勉強ができる人は、それを自然と習慣化できているのだそうです。

勉強できる大人が勉強以外にやっていること02

では、脳によいこととは具体的になんでしょうか? 勉強できる人になるためにぜひ実践するとよいことを3つご紹介しましょう。

【1】体を積極的に動かす

1つめは、体を積極的に動かすこと。築山氏によれば、運動をすると脳がさえた状態になるそうです。

足や手や口を動かす運動系の機能は、脳の表面中央付近に分布しています。その脳領域を十分に働かせるということは、そこに至る脳の血流を良くすることとイコールです。

(引用元:築山節 (2006), 『脳が冴える15の習慣: 記憶・集中・思考力を高める』, NHK出版.)

体を動かすといっても、特別なトレーニングをする必要はありません。築山氏は、次のような日常的な活動をすすめています。

  • 散歩などの軽い運動
  • 部屋の片づけ
  • ガーデニング
  • 料理

散歩は足を中心とした全身運動で、脳全体に血液が巡りやすくなるので、特に効果が期待できるそう。また、部屋の片づけは手を動かす運動であり、脳の司令塔である前頭葉の活性化が可能。さらに、料理やガーデニングといった手で物をつくる活動は、前頭葉に加え、思考系の機能も活性化できるそうですよ。

「活性化した脳を勉強に利用する」という意味で、体を動かすタイミングはやはり勉強前がよいようです。運動と勉強をセットで行なうことが大切なのですね。

勉強できる大人が勉強以外にやっていること03

【2】人とコミュニケーションをとる

2つめは、コミュニケーションの時間をつくること。これは以下の理由から、脳によいこととされています。

1. 集中力が高まる

ビジネスフレームワーク研究所がまとめた書籍『99%が気づいていない大人の勉強力』によると、テンポよく会話をすると集中力が高まる効果があるそう。同書で紹介されているその仕組みは、こうです。

――相手の言葉、表情、しぐさなどさまざまな情報を受け取り、相手の意図を探ったうえで、どう返答するかを考える。こうしたプロセスにより脳がフル活動することで、集中力が高まる――

集中力が続かなくて勉強がはかどらないと感じるときは、黙々と勉強し続けるより、ひといき入れて家族や友人との会話のキャッチボールを楽しむほうがよいと言えるでしょう。

2. 疲労をリセットして、高いパフォーマンスを維持できる

精神科医の樺沢紫苑氏は著書『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術 』のなかで、「食事をしながら家族や友人と話す」「スキンシップを交えながら子どもやパートナーと話す」といったゆったりとした会話には、「オキシトシン」というホルモンを分泌する働きがあると説明しています。

樺沢氏いわく、オキシトシンは、身体の細胞や臓器を修復・回復させる、癒しの効果をもつホルモン。こうしたことから、樺沢氏は一日の疲れをとるための「夜のリセット習慣」として、コミュニケーションをすすめています。夜に癒しのコミュニケーションをする時間をとれば、翌日に高いパフォーマンスを発揮する基礎がつくられるとのことです。

なお、ペットの犬や猫とのたわむれにも、同様の効果が期待できるそう。家族やペットとの憩いの時間を犠牲に勉強に励んでいた人は、夜に癒しの時間をつくってみてはいかがでしょうか。

勉強できる大人が勉強以外にやっていること04

【3】入浴でしっかり休憩をとる

3つめは、お風呂にゆっくりと入ること。1分でも多く勉強するために入浴時間をあえて削っていた人には、むしろ休憩を兼ねて入浴することをおすすめします。

作業療法士の菅原洋平氏は著書『ヤバい勉強脳 すぐやる、続ける、記憶する 科学的学習スタイル』において、応用問題の解法をひらめくのに有効な行動のひとつとして入浴を挙げています。その理由は以下のとおりです。

シャワーで体が温められたり、水圧を体に感じた情報が大脳の島皮質に届けられて、セイリアンスネットワークが起動すると、脳のネットワークの切り替えが起こります
これがひらめく条件です。

(引用元:菅原洋平 (2020), 『ヤバい勉強脳 すぐやる、続ける、記憶する 科学的学習スタイル』, 飛鳥新社.)※太字による強調は筆者が施した

上記の「脳のネットワークの切り替え」とは、以下のことを指します。

まず課題に取り組んでいる最中には「セントラルエグゼクティブネットワーク(CEN)」が働き、そのあとで別のことをすると「デフォルトモードネットワーク(DMN)」が働きます。ここで「セイリアンスネットワーク(SN)」が働くと、DMNからCENへの切り替えが起こる――このときに、ひらめきが生じるのだそう。このSNの起動に、入浴の刺激が効果的だということです。

勉強をずっとしているとCENが働いただけの状態が続くことになるため、「丸暗記はできても応用問題が解けるようにはならない」と菅原氏。そのため、難しい課題に当たったときは勉強を切り上げてお風呂にでも入るほうがいい、というわけなのです。

入浴時間やお湯の温度などについて、特に決まりはないようです。菅原氏は、「体の感覚をともなう作業」がよいと述べているので、勉強のことを考えずに髪や体を洗うことに集中するとよいのかもしれません。なお、視覚情報を遮断するために、お風呂にスマートフォンなどは持ち込まないことも大事だとのこと。

現役東大生のひとりとして『マンガでわかる 現役東大生が実践していた! 東大を攻める7つの勉強習慣』を共同執筆した丹波樹氏も、勉強に疲れたときややる気が落ちているときには、お風呂に入っていたとのこと。ゲームや動画視聴と違い、必要なことでリフレッシュしているので、休憩しても罪悪感がないところもよかったと丹波氏は述べています。

根を詰めすぎて脳のパフォーマンスを落とす前に、入浴でいったんリフレッシュしてみてはいかがでしょうか?

***
勉強をしていない時間に何をして過ごしているかによって、脳のパフォーマンスは変わってきます。机にかじりつく時間を減らして、脳によいことをぜひ始めてみましょう。

(参考)
築山節 (2006), 『脳が冴える15の習慣: 記憶・集中・思考力を高める』, NHK出版.
築山節 (2012), 『脳が冴える勉強法 覚醒を高め、思考を整える』, NHK出版.
ビジネスフレームワーク研究所 (2020),『99%が気づいていない大人の勉強力』, 青春出版社.
樺沢紫苑 (2017),『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術 』, 大和書房.
菅原洋平 (2020), 『ヤバい勉強脳 すぐやる、続ける、記憶する 科学的学習スタイル』, 飛鳥新社.
東大まんがくらぶ (2020), 『マンガでわかる 現役東大生が実践していた! 東大を攻める7つの勉強習慣』, 講談社.

【ライタープロフィール】
かのえ かな
大学では西洋史を専攻。社会人の資格勉強に関心があり、自身も一般用医薬品に関わる登録販売者試験に合格した。教養を高めるための学び直しにも意欲があり、ビジネス書、歴史書など毎月20冊以上読む。豊富な執筆経験を通じて得た読書法の知識を原動力に、多読習慣を続けている。

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