
vol.10で広告の種類と仕組みを学びました。
でも、実際に広告を出したら「効果はどうだったの?」という話になりますよね。
今回vol.11では、広告の効果を測るための「数値指標」を解説します。
CPC、CTR、CVRなど、会議でよく出てくる略語の意味を理解しましょう。
まず押さえる基本の指標
広告の効果を測るには、まず「どれだけ見られたか」「どれだけクリックされたか」という基本を知る必要があります。
Imp(インプレッション)
広告が表示された回数のこと。「Impression」の略です。
メモ
あなたの広告が1,000回表示されたら「1,000インプレッション」です。略して「1,000imp」と書きます。どれだけ人の目に触れたかを示す最も基本的な数字です。
CTR(クリック率)
Click Through Rateの略。広告が表示された回数のうち、実際にクリックされた割合をパーセンテージで表したもの。
メモ
計算式:クリック数 ÷ 表示回数 × 100
例:1,000回表示されて20回クリックされたら、CTRは2%です。CTRが高いほど、魅力的な広告だということになります。
CPC(クリック単価)
Cost Per Clickの略。1回のクリックを獲得するのにかかった広告費用のこと。
メモ
計算式:広告費 ÷ クリック数
例:10万円の広告費で1,000回クリックされたら、CPCは100円です。同じ効果ならCPCは低い方が良いですよね。
CPM(インプレッション単価)
Cost Per Milleの略。Milleはラテン語で1,000を意味します。広告が1,000回表示されるのにかかるコストのこと。
メモ
ブランド認知を目的とした広告では、CPMで課金されることが多いです。「とにかく多くの人に見てもらいたい」ときに使われる指標です。

成果を測る指標
クリックされただけでは意味がありません。「実際に商品が売れたか」「問い合わせがあったか」という成果を測る指標がこちらです。
CV(コンバージョン)
Conversionの略。広告の最終的な成果のこと。商品購入、資料請求、問い合わせなど、サイトの目的によって変わります。
メモ
ECサイトなら「購入」がCV、BtoB企業なら「資料請求」や「問い合わせ」がCVになることが多いです。「転換」という意味の通り、訪問者が顧客に転換することを指します。
CVR(コンバージョン率)
Conversion Rateの略。Webサイトにアクセスしたユーザーのうち、実際に成果(CV)に結びついた割合を示す数値です。
メモ
計算式:CV数 ÷ アクセス数(セッション数) × 100
例:100人がサイトを訪れて3人が購入したら、CVRは3%です。CVRが高いほど、優れたサイトや広告だということになります。
投資対効果を測る指標
最終的に重要なのは「広告費に対してどれだけリターンがあったか」です。経営層が最も気にする指標がこちらです。
CPA(顧客獲得単価)
Cost Per AcquisitionまたはCost Per Actionの略。1人の顧客を獲得するためにかかった費用を指します。
メモ
計算式:広告費 ÷ CV数
例:30万円の広告費で10件の成約があったら、CPAは3万円です。この金額が商品の利益より低ければ、広告は成功していると言えます。
ROAS(広告費用対効果)
Return On Advertising Spendの略。広告費に対してどれだけの売上があったかを示す指標です。パーセンテージで表します。
メモ
計算式:売上 ÷ 広告費 × 100
例:50万円の広告費で200万円の売上があったら、ROASは400%です。100%を超えていれば、広告費以上の売上が出ているということです。
ROI(投資収益率)
Return On Investmentの略。投資額に対して得られた利益の割合を表す数値です。ROASは売上を見ますが、ROIは利益を見ます。
メモ
計算式:(売上 − 投資額)÷ 投資額 × 100
例:50万円の広告費で200万円の売上があり、商品原価が100万円だったら、利益は50万円。ROIは100%です。ROASとROIの違いは、利益を考慮するかどうかです。
指標の使い分けが大事
たくさんの指標がありますが、全部を常に見る必要はありません。目的に応じて重視する指標を変えましょう。
目的別:重視すべき指標
ブランド認知を広げたい → Imp(表示回数)、CPM
サイトへの訪問を増やしたい → CTR、CPC
成果を増やしたい → CVR、CPA
利益を最大化したい → ROAS、ROI
数字で語れるようになろう
デジタルマーケティングの良いところは、すべてが数値で見えることです。
覚えるコツ
・Rateがつくもの(CTR、CVR)は「率」を示す
・Costがつくもの(CPC、CPA、CPM)は「費用」を示す
・Returnがつくもの(ROAS、ROI)は「リターン」を示す
英語の意味を理解すれば、覚えやすくなります!
「先月のCPAは3万円で、今月は2.5万円に改善しました」と数字で報告できるようになれば、あなたも立派なマーケターです。
次回vol.12では「SEO/SEM関連用語」として、検索エンジンまわりの用語を解説します。
最初は計算式を覚える必要はありません。「この数字が高い/低いとどういう意味か」を理解することから始めましょう。
【新人さんのためのマーケティング講座全記事はこちら】
vol.1:マーケティング部ってなにするところ?
vol.2:「顧客獲得の仕組み」をつくるって何をすること?
vol.3:考える武器 "フレームワーク" を手に入れよう。
vol.4:Webマーケティングってなにをすること? 具体的手法を整理しよう
vol.5:CTRとかCVRとかって何のこと? 数字をどう読み、どう動けばいい?
vol.6:KGIとKPIとは? マーケティングの「宝の地図」の作り方
vol.7:マーケティングファネルがわかればもう迷わない。恋愛に学ぶ「ファネル」の話
vol.8:Web広告って、結局どれがいいの? 目的別Web広告の選び方
vol.9:CPAが効果検証の要! できるだけお金をかけずにお客様に振り向いてもらおう
vol.10:マーケ用語を覚えておこう|広告の種類と基本用語編
vol.11:マーケ用語を覚えておこう|効果測定の指標用語
vol.12:マーケ用語を覚えておこう|SEO/SEM関連用語編
vol.13:マーケ用語を覚えておこう|アクセス解析用語編
vol.14:マーケ用語を覚えておこう|総合テスト編
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。