結果を出しまくる「ハイパフォーマー」こそ “よく休み” “よく眠る” のはなぜなのか。

ハイパフォーマービジネスパーソン 5つの習慣01

成果を維持するハイパフォーマーとは、一般的な人・ローパフォーマーと何が違うのでしょう。人事・組織コンサルタントの相原孝夫氏は、ハイパフォーマーは好循環の、ローパフォーマーは悪循環のなかにいるといいます。しかし、さまざまなハイパフォーマーを分析してみると、誰もが実践できる特徴が見えてくるのだとか。

今回は、意外に取り入れやすい、ハイパフォーマービジネスパーソンが行っている5つの習慣を紹介します。

ハイパフォーマーの習慣1:明快さを追求する

ベストセラー作家のBrendon Burchard氏は、成果を維持するハイパフォーマーの調査に20年を費やしたそう。Burchard氏が発見したハイパフォーマーの習慣のひとつに、「明快さの追求」があります。明快さを追求するのは、気を散らすものをふるい落とし、重要なことに焦点を当てる必要があるから。

世の中には曖昧なものがあふれているからこそ、明快さを追求することが重要なのです。たとえば家計簿をつけると、日々の無駄な支出に気がつきやすくなり、家計の改善点が見つかりますよね。明快さを追求すると、やるべきことや過不足を発見できるのです。

「なぜ企画が通らなかったのか?」「課題が時間内に終わらないのはなぜか?」「外国語を習得できないのはなぜか?」「なぜこの作業は必要なのか?」などと常に問いかけ、明確な答えを探っていきましょう。

ハイパフォーマービジネスパーソン 5つの習慣02

ハイパフォーマーの習慣2:透明性を高める

2018年5月、米動画配信大手ネットフリックスの株価がニューヨーク市場で上昇し、企業価値を示す時価総額がウォルト・ディズニー・カンパニーを超えて米国のメディア企業で最大となりました。元ネットフリックス最高人事責任者のPatty McCord氏は、著書『NETFLIXの最強人事戦略』で、全従業員がハイパフォーマーだという世界的大企業・ネットフリックスの秘密を解説しています。

McCord氏によると、ネットフリックスの企業文化を支える基本的な行動規範は、「オープンにはっきりと継続的に伝える」「徹底的に正直になる」「面と向かって、ありのままを話す」「事実に基づくしっかりした意見」だそう。ベストセラー作家のBrendon Burchard氏も、「ハイパフォーマーは、自分たちについての真実を共有しても構わないと思っている」と述べています。

つまり、ハイパフォーマーが行っている習慣の2つ目は、正直でオープンな姿勢を保ち、「透明性を高める」ことです。新しいビジネス・スキル・コンテンツを提供するWebサイト「Effectiveness.jp」は、「透明性を高めること」を「オープンにやること」とし、透明性を高める行動は、正直・率直・誠実・信憑性の原則に基づいていると説明しています。

ハイパフォーマーな人とは、偽らず、人々に真実を伝えることができる、信頼性の高い人なのです。

ハイパフォーマービジネスパーソン 5つの習慣03

ハイパフォーマーの習慣3:周囲を助ける

――周囲を助けて共同体感覚を高めよう

人事・組織コンサルタントの相原孝夫氏によると、ハイパフォーマーの好循環につながりやすいのは、「プロセス重視」「他者尊重」「周囲との関係性重視」なのだそう。反対に、悪循環につながりやすいのが「過度な結果重視」「周囲との関係性軽視」。ネットフリックスの基本的な行動規範にも、「自分の正しさを証明するためではなく、顧客と会社を第一に考えて行動」とあります。

自分の利益だけを追い求めるほうが成功に近づけそうな気がしますが、実際には逆なのです。自分の利益だけを追求していては、味方を失い、自分の価値を実感できなくなってしまうでしょう。

哲学者の岸見一郎氏とライターの古賀史健氏がアドラー心理学を説明した『嫌われる勇気』には、他者に働きかけ、“他者の役に立っている、他者に貢献できている”と感じることができれば、初めて自らの価値を実感できるとあります。

ほかの人の役に立って初めて自分の価値を信じられるというのは、共同体にとって自分が有益だと感じ、他者と結びついていると感じられる、アドラー心理学でいう「共同体感覚」のこと。

「手伝うよ」「こうしたほうがいいかもしれない」「何か役に立てることはありますか?」のように、ちょっとした声かけを意識してみましょう。「周囲を助ける」ことで共同体感覚が高まれば、自分の価値を認められるようになります。自分の価値を信じられるようになれば自信がつき、コミュニケーション力が高まります。そしてチャレンジ精神が旺盛になるのです。

ハイパフォーマービジネスパーソン 5つの習慣04

ハイパフォーマーの習慣4:休憩をとる

Burchard氏によると、ハイパフォーマーは必ず一日を通して充電を心がけ、一日を通してエネルギーを発生させるそう。ハイパフォーマーは「緊張からの解放」「次への準備」を目的に、目を閉じて瞑想などを行うべく、小休憩をとる傾向があるというのです。より活気的・創造的・パワフルになり、効率よく仕事を終えてプライベートを充実させたいなら、45〜60分ごとに心身を休ませるべきだとBurchard氏はアドバイスしています。

2012年に『Psychological Science』上で発表されたエディンバラ大学などの研究では、新たな学習後に10分間程度の休憩を取ると、記憶がうまく統合され、長期間保持が可能になると示されました。「休憩しないと疲れる」ではなく、「休憩しないと成果があがらない」のです。

ハイパフォーマービジネスパーソン 5つの習慣05

ハイパフォーマーの習慣5:睡眠の法則を守る

睡眠に関するビジネスを手がける株式会社ニューロスペースは、1万人以上のビジネスパーソンから睡眠データを集めてきたといいます。調査の結果、一般のビジネスパーソンとハイパフォーマービジネスパーソンの睡眠には4つの違いがあるとわかったそうです。

  1. 寝つきがいい:寝床は眠るだけの場所にする
  2. 起床時間が一定:体内時計を狂わせない
  3. 仮眠の活用:仮眠で午後の生産性を高める
  4. 睡眠圧力を高める:「本睡眠」に近づくほど眠らない

寝床でスマートフォンをいじったり、休日に寝だめをして体内時計を狂わせたり、眠いのに仮眠をとらなかったりしていては、パフォーマンスが低下し、ケアレスミスを招きかねません。また、昼間に仮眠するのではなく、帰宅時の電車など夕方・夜に居眠りをしてしまうと、睡眠圧力(眠るための力)が減少し、夜の「本睡眠」でよく眠れなくなってしまいます。

ニューロスペース代表取締役の小林孝徳氏いわく、“良い仕事は、良い睡眠から”。ハイパフォーマーになるため、上記の4つを実践してみましょう。

***
意外に取り入れやすい、ハイパフォーマービジネスパーソン 5つの習慣を紹介しました。

  1. 明快さを追求する
  2. 透明性を高める
  3. 周囲を助ける
  4. 休憩をとる
  5. 睡眠の法則を守る

ぜひ取り入れてみてくださいね!

(参考)
Inc.com|6 High-Performance Habits Only the Most Extraordinary People Share, Backed by Science
SAGE Journals|Brief Wakeful Resting Boosts New Memories Over the Long Term - Michaela Dewar, Jessica Alber, Christopher Butler, Nelson Cowan, Sergio Della Sala, 2012
ダイヤモンド・オンライン|全従業員がハイパフォーマー、ネットフリックスの最強すぎる人事戦略 | イノベーション的発想を磨く
MSN Japan|ディズニー超え16兆円 ネットフリックス時価総額
Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)|仕事がデキるハイパフォーマーに共通する「睡眠の法則」
Effectiveness.jp | ビジネス・パーソンのための信頼構築講座 第15回「信頼されるリーダーの13の行動」(3)透明性を高める
相原孝夫(2014),『ハイパフォーマー彼らの法則』, 日本経済新聞出版社.
岸見一郎, 古賀史健(2013),『嫌われる勇気』, ダイヤモンド社.

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
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