あなたのスキル、「転用」すれば価値があがるかも。スキルの ”眠れる価値” を呼び起こす3つのステップ

辞書の語句「Skill」にピンク色のマーカーをする様子

新しいスキルを学ぶことも重要ですが、すでに習得したスキルを活用する「スキル転用」は、効率的にキャリアアップを図るための強力な手法です。

「せっかく身につけたスキル、いまの仕事だけで終わらせたくない」

「これまでの経験をほかの場所でも活かしてみたい」

このような思いを抱くビジネスパーソンに向けて、本記事ではスキル転用の具体例やキャリアアップ方法を紹介します。

スキル転用の可能性

スキル転用の第一歩は、いまもっているスキルを再解釈することです。

たとえば、営業スキルは顧客とのコミュニケーションだけでなく、プレゼンテーションや交渉、人間関係の構築としてリーダーシップにも応用できます。

スキルを異なる視点から見直し、新たな活用方法を見つけるのです。

また、スキル転用によって市場価値も高まります。特に、異業界や異分野で通用するスキルは、転職活動や社内での異動時に強力な武器となるでしょう。

たとえば、ITスキルを使って業務効率化を図れる人材は、ほかの分野でもそのスキルを活かすことができ、市場価値を高められます。

また、このように応用が効くスキルをもつ人材は、転職の場において、採用担当者にとっても魅力的に映るはずです。

さらに、異なるスキル同士を組み合わせることで、たとえば次のような相乗効果が生まれます。

  • ITスキルとマーケティングスキルを掛け合わせて、デジタルマーケティングの分野で活躍できる
  • デザインスキルとデータ分析スキルを掛け合わせて、デザインを活用してユーザーエクスペリエンスを改善ができる

このように、組み合わせ次第で自分の強みを増幅させることが可能なのです。

「Skill」と書かれたタグが鍵についている表現

スキル転用を成功させる3つのステップ

ステップ1. 自分のスキルを棚卸しする

まずは自分がもっているスキルを棚卸ししましょう。業務で培ったスキルだけでなく、趣味やプライベートで身につけたスキルも含めれば、意外な活用方法が見つかるかもしれません。

転職支援やコンサルティング事業などを手がける株式会社morich代表取締役の森本千賀子氏は、自分がもつスキルの掛け合わせのバリエーションが増えれば、市場での希少価値が高まると話します。*1よりまとめた

たとえば、次のように「専門性の高いスキル」「ソフトスキル」に分けてリストアップしてみてはいかがでしょうか。

ソフトスキルとは、協調性やコミュニケーション能力といった、仕事のベースとなる個人の習慣や特性のことをいいます。

  • 専門性の高いスキルの例:プログラミング、執筆、語学力、経理の知識、法律の知識
  • ソフトスキルの例:協調性、コミュニケーション能力、問題解決能力、適応力、時間管理能力

ワーク1:スキルの棚卸し

あなたのスキルを「専門性の高いスキル」と「ソフトスキル」に分類してみましょう。

▼下の表に記入してみましょう▼

専門性の高いスキル
ソフトスキル
 
 

※このページを印刷するか、自分のノートに同じような表を描いて記入してみましょう

ステップ2. 転用可能なスキルを特定する

次に、分類したスキルを掛け合わせ、それを別の領域でどのように活用できるか考えます。それには、掛け合わせたスキルを「市場性」「再現性」の2軸で考えてみるといいでしょう。*1を参考にした

  • 市場性:ニーズがあるかどうか
  • 再現性:環境が変わっても成果を挙げられるかどうか *1よりまとめた

先ほど分類したスキルを例に考えてみます。

例1)プログラミング × 問題解決能力

  • 市場性:データベース設計、セキュリティ対策を含めたシステム構築ができる。クライアントの本質的な課題を特定できる。
  • 再現性:ビジネスモデルやシステムの運用・保守性を考慮し、クライアントにカスタマイズされた解決策を提供できる。
  • スキル転用の方向性:コンサルタント業務やITプロダクトの企画立案

例2)語学力 × コミュニケーション能力

  • 市場性:海外のクライアントやパートナー企業と円滑に交渉できる。
  • 再現性:文化的な価値観の違いやビジネスマナーを理解し、意思決定プロセスの違いを踏まえた対応ができる。
  • スキル転用の方向性:営業・マーケティングや国際ビジネスコンサルタント

ワーク2:あなたのスキル、どのように活用できる?

分類したスキルを別の領域でどのように活用できるか考えてみましょう。

▼下の表に記入してみましょう▼

掛け合わせるスキル(専門性 × ソフト):
________________________________________________

市場性
再現性
 
 

▼スキル転用の方向性▼

 

ステップ3. 実践を通じて転用する

スキルを棚卸しし、どのように転用できるのかが明確になったら、新たな分野での成果を積み重ねましょう。それは日々の業務のなかで積み重ねることができます。

キャリアコンサルタントの瀬戸口瑞恵氏は、「業種・職種を超えて多くの仕事で活用できるスキル」を磨くには、「日々の業務をこなす際にスキルを意識すること」が大切だと話します。*2

まずは小さなタスクから始めることで、スムーズにスキルを展開できるよう準備しておくのです。

黒板に「SKILLS」と書く様子

スキル転用を妨げる課題とその解決策

しかし、いざスキルを転用しようと思っても、次のような理由によって阻まれる可能性があります。

スキルが専門外と見なされる

転用先の分野で「専門外」と見なされることがあります。

その場合は、実績や具体的な成果を示し説得力を高めることが重要です。

ここで説得力を高めるためにも、先に述べたように日々の業務のなかで実践を積み重ねていく必要があるでしょう。

スキル転用のチャンスが見つからない

新しい分野では、経験が浅いために信頼を得られず仕事をつかめなかったり、自信がないためチャンスをつかみに行けなかったりすることがあります。

日々の業務で実践し経験を積み重ねたくても、業界の特性や社内の環境によっては、思うようにチャレンジの機会が得られない場合もあるでしょう。

そのようなときは、次のような方法で実績を積んでみることをおすすめします。

  • 副業として小さな実績を重ねる
  • 上司や同僚に相談して、社内でチャレンジのサポートを得る
  • 自主プロジェクトや勉強会を主催して、自ら経験を積む

「経験は自分で積み上げられる」という考え方を持ち、新しい分野での実践を積み重ねていくことが大切です。小さな成功体験の積み重ねが、新たなチャレンジへの自信につながります。

スキルアップを階段で表現した画像

***
すでに持っているスキルを別の角度から活かせば、想像以上の成果を挙げられるかもしれません。そしてスキル転用によって仕事の幅が広がると、ただ成果を出すだけでなく、毎日の仕事に「新しい発見」や「やりがい」ももたらします。ぜひ新たな一歩を踏み出し、スキル転用の可能性を実感してください!

※引用の太字は編集部が施した

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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