考えても考えても、いいアイデアが浮かばない……。アイデアが浮かばず、パソコンやノートとにらめっこをして、苦しんだ経験がある方も多いのではないでしょうか?
そんな時は、一度アイデアを出すことを諦め、歩きましょう。実は、屋内で必死に考えを巡らすよりも、外に出て歩いていたほうが、アイデアが浮かびやすくなるのです。そこで今回は、アイデアを考えるときに歩くことの大切さをご紹介します。
散歩は数多くの偉人たちに愛された
散歩は、音楽家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンや、哲学者ジークムント・フロイト、物理学者アルベルト・アインシュタインをはじめ、数多くの偉人たちに愛されていたといわれています。ドイツ観念論の生みの親、哲学者のイマヌエル・カントは毎日4時から1時間、散歩をしていたそうです。
また、最近でも、Appleの元CEOスティーブ・ジョブズも散歩を大切にしていたのだとか。彼は大事な話をする前や、考えをまとめたいときは、よく近くの公園を散歩していたそうですよ。
スティーブ・ジョブズはこのエリア(注:パロアルト周辺のこと、Appleの拠点)で、エクササイズや考え事をしたり、問題を解決したり、ミーティングにさえ長い散歩を活用することで有名でした。
(引用元:PHOTOSHOPVIP|スティーブ・ジョブズも実践していた、「散歩」をすすめる5つの理由)(注は筆者が補足した)
これほど多くの偉人たちに愛された散歩。こんなにも愛されたのには、私たちをクリエイティブにさせる力があるからなのです。
歩くことはアイデアの生みの親
散歩とクリエイティブさの関連性については、スタンフォード大学で2014年に行われた実験で以下のような結果が出ています。
室内または屋外で歩いている人は、座っている人に比べて60%もクリエイティブであると分かりました。加えて、81%の被験者において歩いているときに、クリエイティブさの増加が見られました。更に、散歩を行ったあとに二度目のテストを受けても、クリエイティブさは保たれ、散歩後に座ったとしても、同様によい結果が示されました。
(引用元:同上)
面白いことに、この実験では、室内でランニングマシーンの上を歩いても、屋外を散歩してもアイデアを生み出す量に変わりはなかったといいます。しかし、数多くの偉人たちは、屋内でぐるぐる歩き回るのではなく、散歩を選んでいました。どうしてなのでしょうか?
散歩は独創性を育む
「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」の一節で有名になった信州大学学長の山沢清人さんは、独創性を育むためには時間が流れる速さがゆっくりに感じられる必要があるといいます。そのためには、新しいことを見つける必要があるのだそう。
偉人たちはどうして家の中をぐるぐる歩き回っていたのではなく、散歩をしていたのか。おそらくそれは、屋外を散歩することで、毎日少しだけ違う景色を見ることができたからなのでしょう。昨日は蕾だった花が今日は咲いていたり、昨日は人が少なかった公園に今日は人が集まっていたり。そういった少しの変化に気付くことが、あなたの思考に彩りを加えてくれるはずです。
散歩をする際に、移り変わる景色などを楽しむことができれば、より気分転換もしやすくなるでしょう。もし外に出られないという場合でも、書類を取りに行く時などに軽くオフィスの中を歩いてみてください。
きっと良いアイデアが浮かぶはずです。
(参考) サライ.jp|カントもディケンズも!散歩を愛した偉人たちに学ぶ「散歩の効能」【大人のための発想術 第2回】 PHOTOSHOPVIP|スティーブ・ジョブズも実践していた、「散歩」をすすめる5つの理由 Stanford|Stanford study finds walking improves creativity THE HUFFINGTON POST|「アイデアと移動距離は比例する」~ 優秀なクリエイターが例外なく"飽きっぽい"理由 withnews|信州大学の入学式 山沢清人学長のあいさつ