私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。
(引用元:癒しツアー|トーマス・エジソンの名言・格言)
数多くの失敗に負けず、挑戦を続けた発明家エジソンの名言です。エジソンをはじめ、多くの偉人たちは失敗しても諦めず、何度も挑戦することは大切だと述べています。
しかし、失敗した後うまく気持ちを切り替えられず、ネガティブな感情にとらわれてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。筆者も「どうしてこんなに簡単なことに気づかなかったのだろう」「いつもミスするなんて、なんでこんなに駄目な人間なのだろう」と、たびたびネガティブな感情のスパイラルに陥ります。こうなると、「もう一回挑戦しよう」という気持ちになれません。
どのようにすれば、このネガティブのスパイラルから脱することができるのでしょうか?
ネガティブな感情に名前を付けよう
『「レジリエンス」の鍛え方』の著者である久世浩司さんは、ネガティブな感情のスパイラルから抜け出すには、2種類の方法があると述べます。
第1の技術が「ネガティブ感情の悪循環から脱出する」ことです。そのために効果的な方法が2種類あります。「感情のラベリング」と「気晴らし」です。
(引用元:SBCr Online|折れない心「レジリエンス」を鍛える7つの技術【前編】)
まず、1つ目の「感情のラベリング」とは、今自分が抱えている感情に名前をつけること。つまり「落ち込んでいる」や「怒っている」など、自分の感情を言葉に表すのです。自分の感情を言語化することによって、感情を把握でき、対処しやすくなります。
カリフォルニア大学の研究によれば、より細かく言語化する人ほど、ネガティブな感情による悪影響を受けにくいのだそう。
例えば、あなたが「メールの送信先を間違えて落ち込んでいる」ならば、「相手に迷惑をかけた自分が嫌になる」のか「注意力不足の自分に腹が立つ」のかと、より自分の感情を分析するほうがよいのです。
気晴らしをしよう
ネガティブな感情はとてもしつこく、なかなか消えてくれません。ときに、冒頭に筆者のように、ネガティブな感情が連鎖する事態が起こります。
そこで、ネガティブな感情を消し去るために気晴らしをして、一度ほかのことに注意をそらすのも有効です。科学的に効果があるとされている気晴らしの方法は次の4つ。
運動系:歩く、走る、泳ぐなどの有酸素運動を行う。 呼吸系:ヨガなどで乱れた呼吸を整える。 音楽系:音楽を聞いたり演奏したりする。 筆記系:気持ちや考えをノートや日記などに書き出す。
どの方法がよくて、どの方法が悪いということはありません。自分が没頭でき、また楽にできる方法を試してみるとよいでしょう。
筆者は書くことが好きなので、イライラするときは、一枚の紙に自分の感情や現状を全て書き込みます。誰に見せるものでもないため殴り書きですし、平気で汚い言葉を使います。書き終わった後はすっきりしますよ。
反省するうえで大切なのは課題をみつけること
ネガティブな感情から簡単に抜け出せるようになるためには、あまり深く反省しないということも大切です。
なぜなら、反省することを大事にしすぎると、最初はちゃんと解決策を考えていたのに、途中から自分自身を否定し始めてしまうことがあるからです。
【例】どうしてメールの返信を忘れてしまったのだろう →メールの返信を忘れないためにはどうすればよいだろうか →どうしていつも簡単なことに気づかないのだろう →いつもミスするなんて、なんでこんなに駄目な人間なのだろう
この例では、途中まで失敗の対策を考えていたのに、最後の一文で自分を責めるだけになってしまっています。
もちろん反省し、課題と解決策を見つけることは大切です。しかし自分を責め続けることに意味はありません。失敗した後すぐに立ち直れない方は、もしかしたら必要以上に反省しているのかもしれませんよ。
*** ネガティブな感情のスパイラルから抜け出すためには、次の3つのことを意識すればよいということがわかりました。 1.感情に名前を付ける 2.気晴らしをする 3.反省しすぎない みなさんも、ぜひ試してみてくださいね。
(参考) 癒しツアー|トーマス・エジソンの名言・格言 SBCr Online|折れない心「レジリエンス」を鍛える7つの技術【前編】 NIKKEI STYLE|失敗を引きずらない「立ち直る力」の身につけ方 リクナビNEXTジャーナル|「反省しない」は、実は“良いこと” Career Supli|「情動のラベリング」ネガティブな感情が成功を呼ぶ