すばららしいツッコミ=賢い?
バラエティ番組で、芸人さんのギャグやツッコミに感心した経験はありませんか?
「こんなリアクション、よく思いつくな」
「レパートリーが豊富だな」
「この人、頭がいいなぁ」
当意即妙なツッコミに「頭がいい!」と感じるのも無理はありません。2013年にマイナビニュースが行なった「どんな人が天才だと思うか」というアンケートの堂々一位は、「頭の回転がはやい人」だったからです。
Q.天才だなあと思う条件を教えてください(複数回答)
1位 頭の回転が速い 50.2% 2位 すぐに回答を導き出せる 37.8% 3位 発想力がある 37.1% 4位 飲み込みが早い 34.8% 5位 なんでもできる 24.6%
ビジネスの場でもプライベートでも、「この人頭がいい!」と思ってもらうことは決して損ではありません。思い切って真似してみませんか?芸人さんの数々の名言の中から「こんな切り返したできたら最高!」という例を日本を代表するツッコミ師、くりいむしちゅー上田さんやフットボールアワー後藤さんの言葉から見てみましょう。
一流のツッコミ師から学ぶ、比喩の使い方
1.擬人法はダイナミックな使い方を 擬人法は文学でも使われているように最もポピュラーな例えの技術ですが、それ故に平凡な例えになりがちです。 パンを粗末にしたときの後藤流ツッコミ「イースト菌が怒ってきますよ!!!」 という発言は、無数のイースト菌が迫ってくるイメージを一瞬で呼び起こし、インパクト大。爆笑必至です。
2.同じ数量を違う尺度で測る 数値は明確なものであるだけに、どれだけインパクトのあるジャンルから尺度を持って来られるかが勝負です。 「9年」→「犬やったらそろそろ死ぬ頃ですよ!!」 「露出の多い衣装」→「四捨五入したらほぼ裸ですよ!!」
3.時事ネタに敏感になろう また即効性のある笑いとしては、色々な時事ネタを取り入れるのもおすすめ。
「人の話を聞き流していて覚えていない」→「スピードラーニングか!!」 「ブサイク」→「ビフォーアフターで言えばずっとビフォーやん!!」
また身内の時事ネタを即座に出せると、頭の回転が速いという印象を相手に与え、円滑なコミュニケーションの助けになります。 「こんな寂しい気持ちになったん、恩師○○の頭頂部遠目で見た以来やわ」
「適切なツッコミ」はビジネスシーンではこう使え
これらのツッコミをどのように私たちの生活に取り入れられるでしょうか。例えばプレゼンのシーンなどで、ちょっとしたミスにより場が凍り付いた時、一瞬で機転を利かせて「すみません、阪神アルプスに迷い込んだ巨人ファンみたいな空気になってしまいました」と笑いに転換することができればマイナスの印象をプラスに変えることができるでしょう。(多少のリスクを伴いますが)
他にも「石原軍団に紛れ込んだ一般人」
のように、アウェイな環境を笑いに変えることができる表現はいつかきっと役に立ちそうです。
語彙やセンスは使うほど磨かれる
ツッコミのセンスを磨くこと。それは困ったシーンで場を和ませるだけではなく、他にも素晴らしい効果があります。それは、「本当に頭の回転がはやい人になってしまう」こと。プロのようなツッコミを目指すということは、多くの語彙から適切な言葉を選ぶセンス、一瞬の判断力、気の利いたタイミングなど全方向に気を配ることであり、その動作は私たちの脳を鍛える訓練になります。
頭の回転がはやい全ての人が生まれながらにはやいわけではありません。多くの研ぎ澄まされた会話の訓練を重ねてきたことで、脳がそれに適応した結果「回転がはやくなった」人はたくさんいます。 マッキンゼーで14年間活躍した赤羽雄二氏が書いた「ゼロ秒思考」では、自分の思考を明確にするために「考え付いたことを1枚のメモに1分で即座に2,30字で書く」訓練を推奨しています。これは、「1分という短い時間」「2,30字」という少ない言葉であることが重要で、野球の千本ノックのようにこの訓練を繰り返すことにより、頭の回転がはやくなるのはもちろん、論理的で深い思考が身に付く、と説いています。
一瞬で適切な語彙を選び短いフレーズにするツッコミと、1分で思考を言語化する作業は似ていませんか?
今までは単なる「聞いて笑う」ものであったツッコミを、ぜひ楽しく生活に取り入れながら脳の回転をアップさせていきましょう。
ゼロ秒思考 GiXo 「できる奴」の思考をトレースする マイナビニュース 「天才だなあと思う条件ランキング」 U-NOTE 「頭の回転を速くする方法があった。「たくさんの人との会話」で頭が高速回転する三つの理由」