できるリーダーが ”絶対にしない” 3つのこと。

「LEADERSHIP」と書かれた標識

優れたリーダーシップの真髄とは、単に部下や後輩を率いることではなく、チームの可能性を最大限に引き出し、成果を上げることにあります。

そのために最も重要なのは、リーダー自身の行動です。真のリーダーシップを発揮するリーダーは、ある特定の行動を決してとりません。

本記事では、優れたリーダーが「絶対にしないこと3つ」を紹介します。あなたがリーダーとして成長するための貴重なヒントになるでしょう。

【しないこと 1】決断を後回しにしない

リーダーシップが高いリーダーは決断を後回しにしません。

リーダーは常に決断を求められますが、曖昧な状況や情報が不足している場合でも、その時点で最良の判断を下し次のステップに進むことが求められます。

ではなぜ、決断を後回しにしないことが重要なのでしょうか?

その理由として次のふたつを、インバウンドマーケティング業務に携わる根本慎吾氏は挙げています。

  1. リーダーが素早く決断することで、メンバーがすぐに行動できる
  2. 決断に誤りがあったとしても、早く動けば早く対策できる  *1よりまとめた

リーダーの決断に時間がかかればメンバーは次の行動に進めず、プロジェクトは停滞してしまうでしょう。また、スタートダッシュが遅れたうえに決断に誤りがあったとしたら、軌道修正するのに時間がかかってしまいます。

一方で、早く決断して早く動ければ、問題が起こったとしても早く修正できるでしょう。

たとえば、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏は「アマゾンの経営陣は素早い意思決定を鉄則にしてい」ると話します。*2

意思決定の質やプロセスにばかりとらわれてしまえば、決断が遅れ、チャンスを逃しかねません。

アマゾンが今日の成功を収めているのも、こうした迅速な意思決定の積み重ねによるものと言えるでしょう。

もし、あなたがリーダーとして決断を後回しにしてしまうようであれば、すぐに決断できる事柄と慎重に考えるべき事柄を分類してみてください。すぐに決断できる事柄からどんどんと決めていけば、スピードを上げることができるはずです。

決断を後回しにしないこと——それは、チームを成功へと導くリーダーにとって欠かせない要素なのです。

笑顔のビジネスパーソン

【しないこと 2】コントロールしようとしない

リーダーシップが高い人は、メンバーの行動のすべてを自分の思い通りにしようとはしません。むしろ、メンバーの自主性を尊重し、裁量を与えることで成長を促します。

『最高のリーダーは何もしない――内向型人間が最強のチームをつくる!』の著者で、世界経済フォーラムより「ヤング・グローバル・リーダー」に選出された藤沢久美氏によれば、「今はいいリーダーほど現場に任せ、ああしろこうしろと細かく指示を出さない」のだそう。*3

だからといって、なにもしないわけではありません。ビジョンを明確にし、まわりと共有することで、自発的に動ける環境をつくるのです。

任天堂元代表取締役社長の岩田聡氏は、自発的に動ける人が集まるプロジェクトはうまくいくと話しており、Wiiの成功に寄与した理想的な環境を、次のように振り返ります。

「こうなりたい」というイメージをチームの全員が共有したうえで、現実的な問題が起こったとき、あるいは起こりそうなときに、誰かが発見して、自然と解決していく。それが理想のかたちなのかもしれません。 *4

リーダーが目指すべき方向を示し続ければ、メンバーはそこへ向かう方法を自ら考え、問題が起きれば自ら解決しようとするでしょう。この考え方を船に例えるなら、リーダーは「舵を握る人」ではなく「灯台」のような存在だと言えます。

灯台は行くべき方向を示しますが、実際に舵をとるのは船の乗組員(メンバー)です。リーダーが細かく操縦しようとするのではなく、目的地を明確にし、メンバーが安心して進める環境を提供することこそが、真のリーダーシップなのです。

双眼鏡をもった人が先導する様子を表した絵

【しないこと 3】周囲の意見を無視しない

リーダーシップが高いリーダーほどまわりの意見を取り入れ、適切に周囲の助けを求めることができます。

起業やビジネスの拡大などのサポートを行なうコンサルタントのアレクシス・シコースキー氏は、リーダーはこれまでの経験や実績から自信過剰になるあまり、まわりの意見を取り入れようとしなくなる危険があると指摘しています。「リーダーにとって最大の罠の一つは、自分に助けは必要ないと考えることだ」と言うのです。*5

たとえば、前出の任天堂元代表取締役社長の岩田氏は、会社が経営危機に直面した際、決断の軸をつくるために社員ひとりひとりと面談を行ない、社員の意見に耳を傾けました。経営判断において、自分の考えだけでなく現場の声を反映させることを重視したのです。*4

リーダーが問題に直面したとき、物事を多面的にとらえて意思決定する必要があるでしょう。そんなときに自分の考えばかりに固執していては、最適な判断を下せません。

もちろん、経験から得た知見は重要ですが、異なる視点を取り入れることで、より柔軟で適切な意思決定が可能になります。

だからこそ、リーダーシップが高いリーダーほど周囲の力を活用し、最善の解決策を導き出すのです。

ミーティングでリーダーがメンバーに話しかける様子

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リーダーシップが高いリーダーは、決断を後回しにしたり、メンバーをコントロールしようとしません。また、一人で全てを背負わずにチームの力を引き出し、成功へ導いていけます。あなたも今回ご紹介したこの3つのポイントを意識し、より優れたリーダーを目指してみませんか?

※引用の太字は編集部が施した

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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