自己肯定感を「上げたい」のに「上げられない」人は、“こんな勘違い” をしている。

自己肯定感を上げたいのに上げられない人の勘違い

近年、教育の場のみならずビジネスシーンなどさまざまな場で見聞きする「自己肯定感」という言葉。ただ、その定義や解釈は人によってまちまちです。

著書『鋼の自己肯定感』(かんき出版)で注目を集める宮崎直子(みやざき・なおこ)さんによると、自己肯定感について勘違いしている人も少なくないと言います。宮崎さんの言う、真の自己肯定感とはどういうものでしょうか。

自己肯定感については「自己肯定感とは? 自己肯定感が低いとどうなるの?」でも詳しく説明しているので、ぜひお読みください。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹

自己肯定感とは「無条件」に自分を受け入れて愛すること

「自己肯定感」の定義については、専門家によっても意見が異なるものです。たとえば、「自分にはできると思える感覚」である「自己効力感」や、「自分は誰かの役に立っているという感覚」である「自己有用感」を、自己肯定感の一部だと定義づける場合もありますし、「自己肯定感は上がりやすく下がりやすいもの」だと言われることもあります。

私の定義で言うと、自己肯定感とは英語の「unconditional self-love」、つまり「無条件の自己愛」のこと。かみ砕いて言うと、ありのままの自分を無条件に受け入れて愛することです。

ありのままの自分を「無条件に」受け入れて愛するのですから、たとえ自分にはできると思えなくとも、誰かの役に立てていなくとも、自分を受け入れて愛することができますし、一度上げることができたなら二度と下がらないというのが、私が考える自己肯定感です。

その重要性となると、自己肯定感が高ければ「幸せな人生を歩める」点に尽きます。

私たちが人生においていちばん長く一緒に過ごすのは、自分自身です。その自分自身が、何かに失敗したときに「ほらうまくいかなかった」「やっぱり自分は駄目な人間だ」と敵になってしまえば、幸せな人生を歩むことは難しくなります。逆に、自分自身が、ありのままの自分を無条件に受け入れてくれるような一番の味方でいてくれたなら、幸せな人生を歩むことができるでしょう。

無条件に自分を受け入れて愛すること

 

自己肯定感を高める第一歩は、「定義」をはっきりさせること

自己肯定感の注目度や認知度がどんどん高まっている近年、みなさんも自己肯定感が大切なことは、メディアを通じてよく見聞きしていることと思います。でも、自己肯定感を上げようとしているのに、なかなか上げられない人もいるかもしれません。そういう人は、先にお伝えした自己肯定感の認識が違っているのかもしれませんね。

自己効力感や自己有用感と混同してしまっていれば、仕事で大きな失敗をしたり上司に叱られたりすると自己肯定感が下がったと感じるでしょう。あるいは、「自己肯定感は上がりやすいけれども下がりやすいものでもある」と認識していると、「どうせ下がってしまうものだし……」と思って、やはり自己肯定感が下がりやすい状況を自らつくってしまうこともあるかもしれません。

ですから、自己肯定感をしっかりと高めようと思えば、まずは自分のなかで定義をはっきりさせることが重要です。先の話の繰り返しになりますが、自己肯定感とは自己効力感や自己有用感とは別のものであり、「ありのままの自分を無条件に愛すること」。そして、一度上げることができれば二度と下がらないものなのです。

高める第一歩は定義をはっきりさせること

どんな自分も、許して許して許しまくる

そうして自己肯定感の定義をしっかり認識したら、ありのままの自分を無条件に愛することを阻んでいる条件を見つけてみましょう。

以下のリストのなかで、「自分の嫌いなところ」はありませんか? それが、あなたがありのままの自分を無条件に愛することを阻んでいる条件です。

【ありのままの自分を無条件に愛することを阻む条件の例】

  • 見た目(顔、髪、身長、体重など)
  • 成績、学歴
  • 仕事、役職、キャリア
  • 貯金額、収入
  • 友だちの数、人気(SNSの「いいね」の数、フォロワー数など)
  • パートナーの有無
  • 家族、親戚
  • 才能、能力
  • 性格
  • 習慣、行動
  • 過去に自分がしたこと、あるいはしなかったこと
  • 過去に自分に起こったこと
  • いま自分がしていること、あるいはしていないこと
  • いま自分に起こっていること

そうして見つけた、あなたがありのままの自分を無条件に愛することを阻んでいる条件を、条件ではなくしていきましょう。そうするにはいくつもの手段がありますが、その基本は、条件を認識したうえで、そんな条件をもっている自分を許して許して許しまくることです。

そして、自己肯定感を高めるためには、「決意」も欠かせません。過去にどんなことがあってもいまがどんな状況でどんな自分であっても、「自分は自分にとっての世界一の親友、味方になるんだ!」と決めましょう

もちろん、そのように決意したとしても、時には自分を否定したくなるときもあると思います。そんなときには、自分の決意を思い出してください。自分を否定したくなったら、自分に対して「ごめんごめん、そうじゃなかったね、いつでも応援しているよ!」と声をかけてあげましょう。そう繰り返して自分を許していくうち、自己肯定感はしっかりと高まっていくはずです。

青いブラウスを着た宮崎直子さん

【宮崎直子さん ほかのインタビュー記事はこちら】
シリコンバレーのエリートが高い自己肯定感をもつ理由。彼らは “これ” の達人だった
一度上げれば下がらない「鋼の自己肯定感」を得る方法。朝晩 “この言葉” を言うだけでいい

【プロフィール】
宮崎直子(みやざき・なおこ)
シリコンバレー在住&勤務歴22年。アラン・コーエン氏のもとでホリスティックライフコーチのトレーニングを受けた認定ライフコーチ。三重県の漁師町生まれ。保守的な田舎が肌に合わず、日本脱出を夢見て育つ。父の影響で人はどうすれば幸せに生きられるのか10代で考え始める。津田塾大学英文学科卒業後、イリノイ大学で社会言語学や心理言語学を学んで修士号を取得。日本NCRでプロダクトマネジャーなどを務めたのち、シリコンバレーに移住。ベンチャー企業からNTT子会社までさまざまなIT企業でマーケティング・営業職に携わる。ソフトウエア会社を起業し大手コンピュータ会社に売却。稲盛和夫氏の盛和塾シリコンバレーに8年間塾生として所属、広報を務めつつ、仏教やニューソートに基づいた真我や自我について深く学ぶ。中村天風氏、斎藤一人氏などの教えにも触れ、アドラー心理学、ポジティブ心理学、マインドセットも学ぶ。さらに、アラン・コーエン氏やアンソニー・ロビンズ氏のコーチングプログラム開発者からメンタリングを受ける。現在、鋼の自己肯定感をもち幸せに人生を謳歌する人が増えるよう活動中。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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