「顧客獲得の仕組み」をつくるって何をすること?【新人さんのためのマーケティング講座 vol.2】

vol.1でマーケティングの全体像は理解できました。
でも、実際に自分が担当することになりそうな業務って何だろう?

多くの会社のマーケ部がメインでやっているのは「顧客獲得」です。
つまり、お客様の注目を集めて、実際に問い合わせや申し込みをしてもらうこと。

今回は、この「顧客獲得」の仕組みがどうなっているのか、一緒に見ていきましょう。

顧客獲得って、具体的に何をすること?

顧客獲得をもう少し詳しく見てみましょう。
実際には、こんな流れになっています。

まず、あなたの会社の商品やサービスを「知らない人」がいます。

その人たちに商品を知ってもらって、興味を持ってもらって、最終的に「この商品欲しい!」と思ってもらう。そして実際に問い合わせをしてもらったり、資料請求をしてもらったり、購入ボタンを押してもらったりする。

これが顧客獲得の基本的な流れです。

お客様の心の変化を追ってみよう

vol.1と同様、カフェの例で考えてみましょう。

ある人が新しいカフェを知って、実際に来店するまでには、こんな心の変化があります。

カフェ来店までの心の変化

1. 知らない段階
「このカフェの存在を知らない」

2. 認知段階
「あ、新しいカフェができたんだ」(SNSや看板で知る)

3. 興味段階
「おしゃれそうなカフェだな。コーヒーも美味しそう」

4. 検討段階
「今度の休日に行ってみようかな。場所はどこだっけ?営業時間は?」

5. 行動段階
「よし、今度の土曜日に友達と行ってみよう!」(実際に来店)

この各段階で、カフェ側ができることがあります。

SNSで存在を知らせたり、魅力的な写真を投稿したり、アクセス情報を分かりやすく伝えたり。
これが顧客獲得の仕組みづくりなんです。

マーケ部がやっている3つの大きな仕事

実際のマーケ部では、この顧客獲得のために大きく3つの仕事をしています。

1. 知ってもらう活動(認知拡大)

まずは商品やサービスの存在を知ってもらわなければ始まりません。

具体的には、Web広告を出稿したり、SNSで情報発信をしたり、展示会に出展したり、プレスリリースを配信したり。
「うちの会社、こんな商品やってます!」と世の中に伝える活動です。

2. 興味を持ってもらう活動(関心喚起)

存在を知ってもらった次は、「へ〜、面白そう」「これ、自分に関係ありそう」と思ってもらう必要があります。

そのために、お役立ち情報を発信したり、商品の魅力を伝えるコンテンツを作ったり、セミナーを開催したり。
単なる宣伝ではなく、価値のある情報を提供して関心を高めていきます。

3. 行動してもらう活動(行動促進)

興味を持ってもらったら、最後は実際に行動してもらいます。

問い合わせフォームを分かりやすくしたり、お得なキャンペーンを実施したり、「今すぐお申し込みください」といった後押しをしたり。
「検討中」の人を「申し込み」まで導く活動です。

デジタルとリアルの両方を使いこなす

現在のマーケティングでは、デジタル(Web、SNS、メールなど)とリアル(展示会、電話、対面営業など)の両方を組み合わせるのが一般的です。

例えば、こんな流れになることが多いです。

Web広告で知ってもらうSNSでフォローしてもらうメルマガで情報提供セミナーに参加してもらう営業が詳しく説明契約

一つのチャネルだけでは限界があるので、複数の接点を用意して、お客様が自然に次のステップに進めるような仕組みを作っています。

すべての基本は「ユーザー視点」

ここまで顧客獲得の「やり方」を見てきましたが、どんな施策を選ぶにしても、ベースとして押さえておかなければならないことがあります。
それは、常に「ユーザーの視点」で考えることです。

これは「お客様に感謝しましょう」という精神論の話ではありません。
マーケティングを効果的に進めるための、実用的なアプローチの話です。

「うちの商品を売りたい」という会社側の都合から出発するのではなく、「お客様が何に困っていて、何を求めているのか」を理解することから始める。
そして、その課題を解決する手段として、自社の商品やサービスを提案する。

押し売りではなく、お客様にとって価値のある情報や解決策を提供することで、自然に「この会社から買いたい」と思ってもらえるようになります。

顧客獲得はお客様との関係づくり

顧客獲得とは、単に「商品を売る」ことではありません。
お客様が自然に「欲しい」と思ってもらえる状況を作ることです。

そのために、知ってもらう→興味を持ってもらう→行動してもらう(認知拡大、関心喚起、行動促進)という3つの段階を意識して、それぞれに適した施策を組み合わせていく。
これが現代のマーケティングの基本的な考え方です。

ここまで顧客獲得の大きな流れを見てきました。
大枠をつかんだところで、次回vol.3では、具体的な施策の種類と選び方について解説します。

【新人さんのためのマーケティング講座全記事はこちら】
vol.1:マーケティング部ってなにするところ?
vol.2:「顧客獲得の仕組み」をつくるって何をすること?
vol.3:考える武器 "フレームワーク" を手に入れよう。
vol.4:Webマーケティングってなにをすること? 具体的手法を整理しよう
vol.5:CTRとかCVRとかって何のこと? 数字をどう読み、どう動けばいい?
vol.6:KGIとKPIとは? マーケティングの「宝の地図」の作り方
vol.7:マーケティングファネルがわかればもう迷わない。恋愛に学ぶ「ファネル」の話
vol.8:Web広告って、結局どれがいいの? 目的別Web広告の選び方
vol.9:CPAが効果検証の要! できるだけお金をかけずにお客様に振り向いてもらおう
vol.10:マーケ用語を覚えておこう|広告の種類と基本用語編
vol.11:マーケ用語を覚えておこう|効果測定の指標用語
vol.12:マーケ用語を覚えておこう|SEO/SEM関連用語編
vol.13:マーケ用語を覚えておこう|アクセス解析用語編
vol.14:マーケ用語を覚えておこう|総合テスト編

【プロフィール】
岡 健作(おか・けんさく)

スタディーハッカー 代表取締役社長
1977年生まれ、福岡出身。同志社大学卒業。2010年に創業。「Study Smart(合理的に学ぶ)」をコンセプトに、科学的知見に基づく英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」を設立し、人気ブランドへと成長させる。 事業拡大の要として、自らオウンドメディアとSNSの編集長を兼任。「StudyHacker.net」を月間700万PV、SNS総フォロワー27万人規模のメディアへと育て上げ、広告費に依存しない集客モデルを確立する。現在はその知見を活かし、「企業の認知獲得の専門家」として、論理とデータに基づいた再現性の高いメディア戦略・ブランディング論を発信している。X(@oka_kgs)

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