vol.10から12まで、広告の種類、効果測定、検索エンジンについて学んできました。
最後のvol.13では、「アクセス解析」で使う用語を解説します。
Webサイトに来た人が「どこから来て」「何を見て」「どこで離脱したか」を分析する指標です。
これを理解すると、サイトのどこを改善すべきかが見えてきます。
基本中の基本:訪問を測る指標
まず、「どれだけの人がサイトに来たか」を測る基本的な指標から理解しましょう。
PV(ページビュー)
Page Viewの略。そのページが閲覧された回数のこと。サイトの規模や集客の状況を判断する最も基本的な指標です。
メモ
1人のユーザーが3ページ見たら「3PV」です。「今月のPVは10万でした」というのは、ページが合計10万回見られたという意味。サイト全体の人気度を測る基本の数字です。
UU(ユニークユーザー)
Unique Userの略。一定期間にWebサイトを訪れたユーザーの数。1人のユーザーが何回訪れても、UUは1とカウントされます。
メモ
Aさんが今月3回訪問しても「1UU」です。「今月のUUは2万人」というのは、2万人の異なる人がサイトを訪れたという意味。PVは「延べ人数」、UUは「実人数」と考えるとわかりやすいです。
セッション数(訪問数)
Webサイトにアクセスしたユーザーが、サイト内を閲覧し、離脱するまでの一連の行動を1セッションとカウントしたもの。
メモ
Aさんが午前に1回、午後に1回訪問したら「2セッション」です。一般的には30分以上操作がないと、次の訪問は別セッションとして扱われます。UUは「人数」、セッションは「訪問回数」です。
ユーザーの行動を測る指標
訪問者がサイト内でどんな行動をしたかを測る指標です。
直帰率
Webサイトを訪れたユーザーが、1ページだけ見てそのサイトから離れてしまった割合のこと。
メモ
直帰率が高い=ユーザーがすぐ帰ってしまう、というのは一見悪そうですが、必ずしもそうではありません。最初のページで目的を果たせたから満足して帰った可能性もあります。ただし一般的には、直帰率は低い方が良いとされています。
離脱率
そのページを最後に閲覧して、サイトから離れてしまった割合のこと。
メモ
直帰率は「最初のページ」、離脱率は「どのページでも最後」という違いです。購入完了ページの離脱率が高いのは正常(目的達成して帰る)ですが、商品詳細ページの離脱率が高いのは問題かもしれません。
回遊率
Webサイト内で1人のユーザーが1回の訪問でどれくらいのページを見たかという指標。1訪問あたりのPV数で表します。
メモ
計算式:PV数 ÷ セッション数
例:1,000PVで500セッションなら、回遊率は2.0です。回遊率が高いほど、ユーザーがサイト内の複数ページに関心を持って見て回ったということです。
滞在時間
Webサイトに来た訪問者がそのサイト内に滞在する時間のこと。サイトに来てからページを閉じるか他のサイトに離脱するまでの時間を指します。
メモ
滞在時間が長い=じっくり読んでくれている、という見方もできますが、「情報が見つからなくて迷っている」可能性もあります。コンテンツの種類によって適切な滞在時間は異なります。

どこから来たかを知る指標
訪問者がどこからサイトに来たかを知ることで、効果的な集客経路がわかります。
参照元(リファラー)
そのWebサイトを訪れる元となった流入元のサイトのこと。referrer(紹介者)という意味です。
メモ
ユーザーがサイトAのリンクをクリックしてサイトBを訪れた場合、サイトBの参照元はサイトAです。Google検索から来たのか、SNSから来たのか、広告から来たのかを知ることで、どこに力を入れるべきかがわかります。
指標を組み合わせて分析しよう
これらの指標は、単独で見るよりも組み合わせて見ることで、より深い洞察が得られます。
分析の実例
ケース1:PVは多いのにCVが少ない
→ 回遊率や滞在時間をチェック。ユーザーが迷っているかも。
ケース2:直帰率が高い特定のページがある
→ そのページの内容が期待と違うのかも。参照元を確認して、どこから来た人が直帰しているか分析。
ケース3:セッション数は増えたのにUUは変わらない
→ 新規ユーザーではなく、既存ユーザーのリピートが増えている。これは良い傾向。
数字でサイトの健康診断
アクセス解析は、Webサイトの「健康診断」のようなものです。
まずはこの3つを見よう
1. PV/UU/セッション数 → どれだけ人が来ているか
2. 直帰率/離脱率 → すぐ帰られていないか
3. 参照元 → どこから来ているか
この3つを定期的にチェックするだけでも、サイトの状態がわかります。
用語編はこれで完了です。vol.10から13まで学んだ用語を使えば、マーケティングの会議でも臆することなく参加できるはずです。
Google Analyticsなどの解析ツールを実際に触ってみると、これらの用語がより理解できます。まずは自社サイトのデータを眺めてみましょう。数字を見ているうちに、自然と「なぜこうなっているんだろう?」という疑問が湧いてきて、それが改善のヒントになります。
🎓 用語編(vol.10〜13)完了!
vol.10:広告の種類と基本用語
vol.11:効果測定の指標
vol.12:SEO/SEM関連用語
vol.13:アクセス解析用語
これで実務で使う主要な用語は押さえました。あとは実践しながら身につけていきましょう!
STUDY HACKER 編集部
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