
※記事内の実践画像はすべて筆者が作成した
自分の気持ちや思考を紙に書き出すジャーナリング。 メンタルヘルスやメタ認知に有効な方法とされていますが、 いざやってみようと思うと「何を書けばいいのかわからない」と 困ってしまったことはないでしょうか。
考えを整理したり感情を言語化したりするためには、まず書き始めるためのきっかけが必要です。 書き始めさえすれば思考は自然と流れはじめ、 書く手も止まらなくなるはず。
そこで本記事では、書くことに迷ったときの最初の一歩としておすすめしたい「10のテーマ」をご紹介します。 ジャーナリングを試してみたい人は、ぜひご覧ください。
何を書けばいいかわからない人へ
基本的に、ジャーナリングは何を書いてもOKです。自分しか見ないものなのでタブーはありません。ただ、「何でもいい」と言われると 逆に困ってしまうこともありますよね。
そんなときは、最初の一文を導くテーマを決めておくのがおすすめです。たとえば「私が怒りを感じるのは」「感謝していること」など、 自分に問いかける形のテーマを設定すると、 ペンを持つ手が自然と動き出します。
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事の荻野淳也氏も、自己認識力を高めるテーマをすすめています*1。 自分のことをよく知ることができれば、 何にモチベーションが上がり、 何にネガティブな感情を抱くのかを把握できるようになるためです。
では、具体的にどんなテーマを選べばいいのでしょうか。次の章では、目的別に10個のおすすめテーマをご紹介します。

最初に書くべき10のこと
目的別に、合計10個のおすすめテーマをご紹介します。
【自分のことを深く知れる】
自己認識力を高めたい人におすすめのテーマです。自分の価値観や感情のトリガーを知ることで、 日々の行動や判断がクリアになります。
- よりよい人間関係を築くためには
- 私が怒りを感じるのは
- お金で買えない大事なものとは
【不安やモヤモヤを手放せる】
頭の中がごちゃごちゃして落ち着かないときに効果的なテーマです。 書き出すことで、漠然とした不安を具体化できます。
- 頭のなかのモヤモヤを全部書き出す
- 理想と現実のギャップ(スケジュールや働き方など)
- 仕事で怒られたこと
【ポジティブな気持ちになれる】
初心者や「まずは楽しく試したい」という人におすすめのテーマです。 良い気分で書くことで、ジャーナリングを習慣化しやすくなります。
- 嬉しかった出来事
- 幸せを感じる瞬間
- 感謝していること
- 自分が興味をもてる趣味
臨床心理士の藤本志乃氏は 「ポジティブにこだわらずにネガティブなテーマを選んでも」いいので、 書きやすいテーマでジャーナリングを始めるよう呼びかけています*2。
まずはお試しでジャーナリングをしてみたい人は 「楽しくジャーナリングできるようなポジティブな内容」がおすすめです。

ジャーナリングのポイントと筆者の体験談
実際に筆者もジャーナリングを試してみました。実践の様子と感想、そしてご提案をまとめます。
短時間・毎日行なう
実践は前出の荻野氏が挙げるジャーナリングのコツを意識して行ないます*1。
ジャーナリングの5つのコツ
- あるテーマについて決められた時間ずっと書き続ける
- 頭で考えずに手を動かす
- 気をそらせるものがないプライベートな空間で行う
- 脚色しないで事実や気持ちをあるがままに書く
- 誤字や脱字を気にしない
準備したのは、A5サイズのノートとボールペン、 そしてスマートフォンのタイマーです。 荻野氏は「5分、1分と短時間でいいので、毎日書く」ことをすすめています。
そこで今回は、1日の終わりに10のテーマからひとつを選び、 5分のタイマーをかけて実践することにしました。 初日の実践の様子は、以下のとおりです。


少し悩む時間はありましたが、できるだけ手を止めないように書き続けると9行ほどになりました。テーマが決まっていたおかげで、思考が止まりにくかったように思います。
その後も毎日テーマを選び、ジャーナリングを続けてみました。


テーマがあれば初心者でも書きやすい
これまで筆者もジャーナリングに挑戦しようとしてきましたが、「頭のなかのことを書き出そう」と思ってもなかなか筆が進みませんでした。 しかしテーマを決めたことで、手を止めることなくスラスラと書けたのです。
テーマがあると思考が散らばりにくく、何を書けばいいのか迷うことなく書き進められます。 今回は毎日テーマを変えて実践しましたが、 書きやすいものがあれば翌日以降も同じテーマを続けてOKです。自己認識力を高めたり、不安を手放したりするのに活かせるはずです。
「手書き」がポイント
「文章を書くならパソコンやスマートフォンの方が手軽で早い」 と考える人もいるでしょう。 しかし、ジャーナリングは手書きで行なうことをおすすめします。
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート理事の吉田典生氏は、手書きとキーボードによるジャーナリングの効果を比較しています*3。キーボードを使うとイライラしているときに出る脳波のベータ波が高まるのに対し、手書きだとリラックスしているときに出るアルファ波が高まるそうです。
心を落ち着けたり集中力を高めたりするためにも、ジャーナリングをするときは手書きがいいと言えます。
ジャーナリングは人に見せるわけではないので、何を書いても大丈夫。「何を書こうかな」「よくわからないな」のように 頭に浮かんだことをとりあえず書き出していると、 自然と思考が進む場合があります。
そのため実践の際は、手書きで、できる限り手を止めないことを意識してみてください。
(もっと読みたい)

テーマを決めて気軽にジャーナリングを楽しもう
ジャーナリングは、難しいことを考えずに すぐに始められるセルフケアのひとつです。 心を落ち着けたいとき、不安を手放したいとき、自分の考えを整理したいときにとても役立ちます。
この記事のポイント
- ジャーナリングは「テーマを決める」と書きやすくなる
- 5分など短時間でOK、毎日続けるのが効果的
- ネガティブなテーマでも、ポジティブなテーマでもよい
- 手書きの方がリラックスしやすく、思考が自然に進む
- 自分のための記録なので、誤字や整った文章でなくてもいい
まずは思いついたテーマひとつで大丈夫。 気軽に、自由に書き始めてみてください。

よくある質問(FAQ)
Q. ジャーナリングは何分くらい行えばいいですか?
A. 1分〜5分程度の短時間から始めるのがおすすめです。 慣れてきたら10分、15分と延ばしても構いませんが、 無理のない範囲で毎日続けることが大切です。
Q. ジャーナリングはパソコンやスマホで行ってもいいですか?
A. 手書きの方が効果的です。 研究によると、キーボード入力ではイライラ時に出るベータ波が高まるのに対し、 手書きではリラックス時に出るアルファ波が高まることがわかっています。 心を落ち着ける目的であれば、手書きをおすすめします。
Q. ジャーナリングで何を書けばいいかわかりません
A. 「自己認識力を高めるテーマ」がおすすめです。 たとえば「よりよい人間関係を築くためには」「私が怒りを感じるのは」 「感謝していること」などのテーマを設定すると、書き始めやすくなります。 本記事で紹介した10のテーマを参考にしてください。
Q. ジャーナリングにはどんな効果がありますか?
A. ジャーナリングには「書く」行為に集中することでネガティブな感情から離れる効果、 自分の思考を客観視して解決策を見出す効果があります。 メンタルヘルスの改善やメタ認知能力の向上にも有効とされています。
Q. ジャーナリングを続けるコツはありますか?
A. 毎日同じ時間帯に行う習慣をつけることがポイントです。 1日の終わりに5分だけ時間を取り、気が散らない静かな場所で実践しましょう。 誤字や文章の乱れを気にせず、思いつくままに手を動かすことが大切です。
※引用の太字は編集部が施した
*1 日本経済新聞|書く瞑想、ジャーナリング 集中力高め仕事効率を改善
*2 コグラボ|ジャーナリングのテーマをどうやって決める?おすすめのお題や具体例も紹介!
*3 日経ビジネス|手を動かし、「書く瞑想」をしよう
藤真唯
大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。