Colleagues talking in office and smiling

職場の人間関係、うまくいってますか? 終身雇用が当たり前だった時代も今は昔。大学の新卒者のうち3割が3年以内に退職する、という話ももう驚かなくなりました。既卒者の転職も全く珍しくありません。せっかく入った会社を辞める理由はそもそも何でしょう。「仕事そのものにやりがいを感じない」なら転職もやむを得ずかもしれませんが、もしそれが人間関係なら改善できるかもしれません。
今日は、ちょっと意識するだけで職場の人間関係がスムーズになる方法を3つご紹介します。この方法を実践すれば、苦手なあの人が良い仲間になるかもしれません。

badge_columns_1001711転職理由の一番は!

様々な会社が転職理由を調査していますが、人間関係という項目はなかなか出てきません。なぜなら人間関係が理由で転職したい、というのは、会社を辞める時も面接へ行く時もマイナスになるから。そのため、実際は転職理由が「上司が嫌い」であっても表向きにはきれいな言葉に書き換えられてしまう中、退職理由の本音に迫ったデータを見つけました。

「退職理由のホンネランキング」
1位 上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった 23%
2位 労働時間・環境が不満だった 14%
3位 同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった 13%

(引用 リクナビネクスト 退職理由のホンネランキング)

退職理由のベスト3のうち、実に2つが人間関係であることが分かります。裏を返せば人間関係さえうまくいけば、わざわざ辞める必要はなかったということ。上司や経営者とは言っても同じ人間同士。どうにかならないものでしょうか。

Smiling female employee discussing with colleague in office

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badge_columns_1001711 不満は直接会って言う

人間関係がうまくいかない時。気をつけたいことがひとつあります。それは、相手の顔が見えているかどうかということ。特に相手へ不満を伝えたり、ここを直した方がいい、とフィードバックを与える場合には必ず直接会うようにしましょう。
単純接触効果という言葉をご存知ですか?簡単に言ってしまえば「会えば会うほど親密度は増す」ということ。たとえネガティブな内容であったとしても、面と向かって話すことにより信頼度が上がり受け入れやすくなります。メール一本で非難する、なんていうのは最悪なやり方です。

ミシガン州立大学の卒業アルバムから抜き出した12枚の写真を使って, それらの写真に対する好意度を測定した。写真を見る回数は0回, 1回, 2回, 5回, 10回, 25回の6条件とし、各条件に2枚ずつの写真が割り当てられた。その結果, 写真の提示回数と好意度の間には正の関係があり, 見る回数が増えるほど写真の内容に関係なく単純に好意が増加していることが示された。

(引用:戸田, 弘二, 小笠原里恵, 田辺育実, & 山嵜千尋. (2009). 顔写真に対する単純接触効果とその妨害因.)

マイナスな内容を伝える時には、悪意がなくても相手に嫌な感情を与えるもの。必ず会って伝えるようにしましょう。

badge_columns_1001711ささいな報告でもしっかりと時間を作る

ホウレンソウは仕事の基本。よく聞く言葉ですが、実際にどのようにすればいいか、ということを教えてくれる人は意外に少ないもの。連絡がうまくいかず、些細なことから人間関係にヒビが……というのは実際よくある話。行動科学の専門家である石田淳氏が勧めるのは、「報告の際には、必ず時間を作る」ということ。

「◯◯について相談したいのですが、11:00から15分間お時間いただけますか?」
「△△について報告してほしいから、30分後に会議室に来て」

のように、具体的に用件をしっかり伝えた上で時間を作るようにするのです。そうすれば、報告忘れも減りますし、何より内容をまとめる時間ができるので効率が上がります。またあえて口に出すことで、「あいつはいつもきちんと報告しているな」という印象も残せます。

badge_columns_1001711とにかく褒める

あの人にああしてほしい、ここを直してほしい。だけど指摘するのは気がひける……。
人間関係を良好に保ったまま、人に修正指示を出したい。誰もが思うことでしょう。こんな時に役に立つのが「ラベリング効果」。わかりやすい例は、公衆トイレに貼ってある「いつも綺麗にご利用くださりありがとうございます」の張り紙です。きれいに使ってくれるはずでしょう?と無意識に圧力をかけ、行動を誘導している有名な例ですね。脳科学者である中野信子氏は、「とにかく褒める」ことで相手を誘導できる、と語ります。

ラベリングとは、その名のとおり、コミュニケーションの中でさりげなく先手を取り、相手に望ましいレッテルを先に貼り付けてしまうこと。そうすることで、相手の行動を自分の思う方向へ誘導できるというのがラベリング効果です。

(引用:中野信子|脳はどこまでコントロールできるか? ベスト新書 2014年)

「報告書、いつも丁寧で助かるよ」
「プレゼンの資料毎回すごく綺麗だよね」

こんな風にして、仕事仲間を褒めまくりましょう。きっと期待以上の結果が返ってくるはずです。

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いかがでしたか。会社は仕事をする場所であるのに、たかが人間関係、されど人間関係。仕事の本質以外のところでストレスをためてしまったらもったいありません。「人間関係は鏡」とも言うので、こちらが対応を変えることで自ずと相手の反応も変わるはず。人間関係の悩みを解決し、仕事のパフォーマンス向上という本来の目的に専念できますように。

参考:
リクナビネクスト|退職理由のホンネランキングベスト10
脳はどこまでコントロールできるか?|中野信子著 ベストセラーズ 2014年刊
<チーム編>教える技術 行動科学で成果が上がる組織をつくる! |石田淳著 かんき出版 2014年刊
マイナビニュース|新卒大学生の”3人に1人”が3年以内に離職
顔写真に対する単純接触効果とその妨害因 戸田, 弘二, 小笠原里恵, 田辺育実, & 山嵜千尋


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。