1円単位で家計簿をつけるとお金が貯まらないワケ

みなさんは、自分が使っているお金の管理を普段からきちんとしていますか。ここでの「お金の管理」とは、「収入・支出をきちんと把握する」ということ。

ある目的のためにお金を貯めている人は、きっと普段から収支をしっかり管理していると思います。一方で、あればあるだけ使ってしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に気を付けて管理していなくても、どうにか暮らしていけるかもしれません。しかし、お金の管理がいい加減なせいで本当に必要な時にお金が足りなくなるのは、なかなかつらいもの。ビジネスパーソンにとって重要な自分への投資、スキルアップのためのお金も、捻出することなど到底できませんよね。

そこで今回は、お金を管理することの大切さについて考えてみましょう。筆者が実際に家計簿をつけてみて学んだことについてもお伝えします。

お金の管理がずさんになってしまう理由

お金の管理がどうも苦手だ、という方がいらっしゃいますよね。そういう方がお金をうまく管理できないのは、いったいどうしてなのでしょうか。

お金を管理できていないということは、収入・支出をきちんと把握できていないということ。自分の収入の金額、日々の支出の金額のことをまったく考えないでいるせいで、浪費癖がついてしまっているのかもしれません。たとえ収入が多い人であっても、湯水のようにお金を使っていればすぐになくなってしまいます。

また、お金の管理をきちんとやろうと家計簿などを買ってはみるものの、結局続かずに三日坊主で終わってしまう人もいるでしょう。そういう人の場合は、お金の管理を「習慣化する」というところにハードルがあります。習慣化できなければ、いつまでもお金の管理はできるようになりません。

お金をきちんと管理することによるメリット

お金を管理することのメリットとは何でしょう? みなさんの頭にすぐに思い浮かぶのは「無駄遣いを減らせる」という点ですよね。もちろんそれはその通りなのですが、それ以上に大きなメリットとして、「お金の有意義な使い方が身に付く」という点があります。

家計管理にまつわる相談を行っている株式会社マイエフピー代表取締役社長の横山光昭氏によれば、お金を管理する際は、支出を「消費」「浪費」「投資」の3つに分類すると良いのだそう。それぞれの意味は次のとおりです。

消費」……食費や水道光熱費など、生活に必要なものに使うお金 浪費」……程度が過ぎる買い物など、生活に不必要で無意味なものに使うお金 投資」……教育費や貯蓄など、生活に不可欠という訳ではないものの将来の自分にとって必要なお金

普段の支出をこの3つに分けてみると、意外と分類が難しいことに気づきます。例えば食費は「消費」に入りますが、好きなお菓子をたくさん買い過ぎてしまうような人は「浪費」になってしまう部分もあるでしょう。外食にかかるお金も、仕事で帰りが遅くなり料理ができないため外食するのなら「消費」ですし、ただのぜいたくな外食ならば「浪費」になります。

このように、なぜ、何のためにお金を使っているかによって、支出の分類は変わってきます。ですので、お金を管理するうえでは、支出の動機を確かめることが大切です。支出の動機を確かめる癖をつけると、支出に関わるひとつひとつの行動を改善することになります。無駄な消費を減らしたりぜいたくな浪費をしないように気を付けたりして、自然と有意義なお金の使い方について考えることになりますよね。投資に回せるお金も増やすことができるのです。

家計簿をつけてみて分かったこと

筆者は春から一人暮らしを始めたことをきっかけに、毎日家計簿をつけることにしました。それまでは、自分の使ったお金を記録しようと取り組んでもたいてい三日坊主で終わってしまっていました。また、当時は無駄な支出があることも認識していたので、気持ち新たに家計簿をつけ、お金の管理をきちんとしようと思ったのです。現在までの約5か月間、家計簿をつけてみて学んだことをいくつかご紹介したいと思います。

1. 家計簿は詳細につけすぎないほうが良い

筆者は飽きっぽい性格。そのせいでこれまでお金の管理を習慣化できなかったという経験があります。そこで、今度こそは、金銭管理をきちんと習慣化するために、市販の家計簿ではなくB5サイズの手帳にレシートを貼り付けてその日に使った金額を記入していくというざっくりした方法を取りました。

市販の家計簿の方が確かに記入はしやすいのですが、項目が詳細すぎるため、金銭管理の習慣がそもそもない人が実践するには面倒くさく感じられてしまいます。初心者が市販の家計簿に挑んでも、途中で挫折してしまうことにもなりかねないのです。

最初のうちは、使った金額の内訳を気にせず、その日の収入と支出をまとめてノートに記入するだけで構いません。その際は、ざっくりでもいいのでお金の使用目的を一緒に記入することをお勧めします。無駄遣いを減らす効果がありますよ。これだけのシンプルな家計簿でいいので、毎日継続することを目標にしてみてください。飽きっぽい筆者でもこの方法なら、これまでの約5か月間お金の管理を継続することができています。

慣れてきたら、市販の家計簿を使ったり、エクセルシートのフォーマットを利用したPCでの金銭管理をしたりするのも良いでしょう。

2. 家計簿をつけっぱなしにしないことが大切

筆者は「〇円削らなければ……」と日々の生活で節約に躍起になることはそれほどありませんが、それでも毎月末に家計簿をふり返ることだけは必ず実践しています。時には、あまりお金を使わないでおこうとしたがゆえに、逆に安物買いの銭失いとなってしまっていることに気づくことも。つまり、全体として無駄なお金を使う機会は減っていても、充実した生活ができていないこともあるということです。

家計簿をつけっぱなしにしているだけでは、正直家計簿をつけていないのとほとんど何も変わりません。時間をかけてきちんとふり返る機会を設けるようにしてください。金額の多少だけでなく、お金を使う目的(購入動機)と使った結果を合わせて見ることが重要です。

筆者の場合、支出の分類自体は以前から行っていましたが、お金を使う目的を詳細に言語化するようになった結果、無駄な支出を減らすことができたように思います。定期的に自分のお金の使い方をふり返ることで、手元に残ったお金を書籍の購入に回すなど有意義なお金の使い方ができ、私生活の充実をより実感することができています。

*** みなさんも、金銭管理を習慣化すれば、本当に必要なものにお金を費やすことができるようになりますよ。自分磨き、将来への投資のためにも、お金をきちんと管理できることは重要なスキルです。ぜひ家計簿をつけるようにしてみてください。

(参考) 東洋経済ONLINE|「貯金ができない人」は支出の管理が甘すぎる PRESIDENT Online|なぜお金に好かれる人は「家計簿をつけない」か ハフィントンポスト|支出をコントロールする、家計の棚卸とシンプルな家計簿のつけ方 WebMD|Spend Your Way to Happiness?

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