SNSで勉強効率を最適化! おすすめアプリ&活用法を徹底解説。

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TwitterやInstagramなどのSNSを勉強に役立てているのは、中高生だけではありません。専用アカウントをつくり、自分の勉強実績や目標を投稿してモチベーションを維持する、勉強仲間と励まし合う、情報を収集するなど、ビジネスパーソンもさまざまに活用できますよ。

テキストの投稿、写真・動画の投稿、ユーザーどうしの交流、情報の検索など、SNSはさまざまな便利機能を備えています。遊びで使うだけではもったいない万能ツールです。

せっかくなら、勉強のパフォーマンスを高めるため、スマホでSNSアプリを活用してはいかがでしょう? SNSを勉強に活用する方法や、おすすめのSNSをご紹介します。

なぜSNSが勉強に役立つの?

朝日学生新聞社と、学習アプリを運営するアルクテラス株式会社は、SNSの勉強への活用について2017年にアンケート調査を実施。対象となった中高生1,328人は、「勉強にSNSを活用する目的」を以下のように答えました。

  • 勉強方法などの情報を集める(64%)
  • わからないことを解決する(55%)
  • モチベーションを上げる(49%)
  • 記録を残す(34%)
  • 志望校が同じ仲間を見つける(18%)
  • 人に教えることで自分の学力を上げる(18%)

効率的な勉強法や難問の解き方など、インターネット上には役立つ情報があふれています。わからないことをGoogleで検索するように、SNS内でほかのユーザーの投稿を検索して疑問を解決できますし、気になっていることを投稿したら、それを見たほかのユーザーが親切に教えてくれるかもしれません。

SNS内では、情報を探すだけでなく、自分から発信することもできます。自分の勉強記録を文字や画像として投稿すれば、あとから振り返れますし、ほかのユーザーの勉強記録を見て、「自分ももっと頑張らないと」とモチベーションにつながるかもしれません。

SNSは、普段のコミュニケーションだけでなく、勉強の進捗管理やモチベーションの向上に利用できるのです。

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SNSを勉強に活用する方法

SNSを勉強にどう役立てるのか、具体的な方法を紹介しましょう。

記録を文字で残す

SNSを「勉強記録ツール」と考え、勉強した時間や内容を文字にまとめて投稿してみましょう。「今日はこれだけ頑張ったな」という達成感や充実感が得られるはずです。

手帳や日記に記録するのと違い、SNSの投稿は世界中に公開されます。「人に見られている」という緊張感が生じ、サボりにくくなるのです。

SNSを趣味でしか使ったことのない人は、勉強記録を投稿する専用のアカウント、いわゆる「勉強垢」をつくってみては? それだけでも学習意欲が高まるはず。ITジャーナリストの高橋暁子氏によると、勉強垢で目標や夢を表明し、自分のモチベーションを刺激する人も多いそうです。

◆勉強記録を投稿する例

【勉強時間】21:00~22:00
【勉強内容】問題集 p.38~40
【感想・反省点】目標通り進めたが、正答率は6割ほどと低かった。間違った箇所は、明日しっかり復習したい。

記録を写真で残す

文字だけでなく、写真でも勉強の記録を残してみましょう。手帳などのアナログな方法と違い、SNSなら画像の保存が簡単です。

勉強垢には、以下のような写真が多く投稿されます。いつ・どこで・どんな勉強を頑張ったかという記録を、視覚情報として残しているのです。

  • 使ったノート
  • 読み終えた本
  • 参考書・問題集
  • 勉強机の様子
  • 勉強場所の風景

前出の高橋氏によると、勉強垢において「SNS映え」は重要でないそう。机やノートをオシャレに整える必要はありません。普通の写真でいいのです。普段はSNSを使わない方も、記録用と割りきり、SNSを始めてはいかがでしょう?

また、写真だけでなく、スクリーンショットを投稿するのもいいですね。学習アプリの画面を撮影・投稿するのも、勉強の成果やスケジュールの記録になるでしょう。

仲間を見つける

検索機能やハッシュタグを使い、勉強仲間を探してみましょう。「#勉強」「#勉強記録」「#英語」「#プログラミング」などのハッシュタグを検索ボックスに入力したり、ほかのユーザーの投稿にあるハッシュタグをクリックしたりすれば、同じテーマに関心のあるユーザーが見つかります。自分で投稿するときは、上記のような勉強系のハッシュタグをつければ、ほかのユーザーから見つけてもらえるはず。

本名も顔も知らない、SNS上だけの仲間でも、言葉を交わしているうちに勉強の苦しさや孤独感が和らぎます。悩みや愚痴に共感してくれるかもしれません。勉強の前に「いまから勉強するぞ!」と投稿するだけでも、フォロワーから見守られているような気になれ、気合いが入るでしょう。

情報を集める

SNSでは、多くの一般人がリアルタイムで情報を投稿しています。以下のような最新情報や、実体験に基づく有益な情報が見つかるでしょう。役に立つ情報の多いユーザーは、フォローしておくことをおすすめします。

  • 「今回の試験では、出題傾向が前回から大きく変わっていた」
  • 「来年、試験の制度が変更されるらしい」
  • 「この問題は××すると楽に解ける」
  • 「この文房具がおすすめ」

勉強に関してわからないことがあれば、SNS内で検索したり、ほかのユーザーに質問したりするのもいいでしょう。自分の力だけで解決できないときは、SNSを頼るのもひとつの手です(ただし、情報の真偽にはご注意を)。

学んだことをアウトプットする

情報が脳に定着するのは、インプットではなくアウトプットのときです。心理学者のジェフリー・カーピック氏らが2008年に報告した実験によると、被験者にスワヒリ語の単語を記憶させて1週間後にテストしたところ、頻繁にアウトプット(小テスト)を行なったグループは、そうでないグループより2倍以上の点数を記録しました。

アウトプットするときは、得た情報を記憶から引き出す必要があります。この「思い出す」というプロセスを繰り返すことで、情報が脳に定着するのです。

勉強を通して学んだことや、読んだ本の内容、セミナーで得た情報などを自分のなかで整理して、SNSに投稿してみましょう。このアウトプットにより、知識が定着しやすくなるはず。精神科医の樺沢紫苑氏によると、SNSの投稿には「人に読まれる」というプレッシャーがともなうぶん、勉強内容の定着効果が高いそうです。

パソコンやノートを開いて情報をアウトプットするのは面倒ですが、SNSに投稿するくらいなら、スマートフォンで簡単にできますね。勉強内容をアウトプットする場として、SNSを活用してみてください。

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勉強に活用できるSNS

勉強に活用できるSNSアプリを、具体的に6つ紹介します。

Twitter

おなじみの「Twitter」(iOSAndroid)は、1回の投稿に140字の制限があるのが特徴。特に意味のない雑感を投稿しやすい雰囲気なので、誰でも使いやすいでしょう。

前出の樺沢氏は、Twitterで書籍などの要約を投稿することをすすめています。140字という制限があり、情報を簡潔にまとめるトレーニングに向いているためです。

本だけでなく、映画やニュースサイトの記事など、さまざまな要約をTwitter上に投稿してみましょう。何かをインプットしたらTwitterに投稿することを習慣すれば、アウトプットによって記憶に定着させやすいだけでなく、インプットの際も情報を読み取ることに集中しやすくなるはず。

Instagram

「Instagram」(iOSAndroid)は、写真や動画に特化しています。勉強の記録をアルバムのように残したい人には、特におすすめです。逆に、文字で記録を残すのにはあまり向いていません。

Instagramでは、投稿したい画像を簡単に加工できます。せっかくならきれいな写真を残したい人、勉強風景をオシャレに記録してモチベーションを上げたい人は、Instagramを使ってみましょう。

また、Instagramでは、投稿にハッシュタグをつけるのが普通です。「#勉強」「#study」「#資格取得」「#toeic」などのハッシュタグをたどれば、勉強系のアカウントに出会いやすいでしょう。

Tumblr

ブログとSNSを合わせたようなものが「Tumblr(タンブラー)」(iOSAndroid)です。ブログのような長文が多く、読みごたえのある投稿に出会えるでしょう。たとえば「宅建」で検索すると、宅建(宅地建物取引士)の試験問題の分析や、試験への意気込みなどがヒットします。

長文の投稿を読むだけでなく、自分で書きたい方にもTumblrはおすすめです。勉強スケジュールを振り返ったり、学んだ内容を整理してアウトプットしたりするほか、外国語で長い文章を書くのもいいでしょう。

みんチャレ

「みんチャレ」(iOSAndroid)は、習慣を継続するための “三日坊主防止アプリ”。勉強のやる気を維持したい方には、特におすすめです。

「みんチャレ」では、同じ目標をもったほかのユーザーと5人でチームを結成。たとえば、「勉強の習慣化」を目的として選択すると、同じ目的を選んだ4人とマッチングされます。グループチャットを通じて互いを励ましたり、頑張った成果を報告し合ったりして、モチベーションを保つのです。

ひとりではなかなか勉強を続けられない方、自分を変えるキッカケが欲しい方は、ぜひ利用してみてください。

Clear

「Clear」(iOSAndroid)は、勉強ノートを共有できるSNS。「上手なノートのお手本を見たい」「みんなのノートの書き方が気になる」という方におすすめです。

たとえば「宅建業法」で検索すると、宅建業法をまとめたノートが多数ヒットするので、ノートづくりの参考になるでしょう。「この人のノートはすごい!」と感じたユーザーをフォローしておけば、その人が新しくノートを追加するたび、自分のタイムラインに表示されます。

自分の勉強ノートを公開することもできるので、Clearに投稿する前提で勉強すれば、モチベーションが高まるでしょう。ほかのユーザーから「いいね」をもらえたら、励みや自信になるはずです。

つながらないSNS ilka

「つながらないSNS ilka」(iOSAndroid)には、アカウントをつくったり、ほかのユーザーをフォローしたりする機能はありません。フォロワーを意識しすぎて「こんなことを投稿したら変に思われるかな」「『いいね』を押したほうがいいかな」と気疲れせずに済むのです。

各ユーザーの投稿はランダムで表示され、「応援」「共感」「スター(お気に入り)」で反応できます。あなたが「毎日勉強ばかりで疲れるなぁ……」と弱音を吐いたら、どこかの誰かが「応援」ボタンを押してくれ、ささやかな癒やしを得られるかもしれません。

ilkaは徹底して「つながらない」仕様なので、自分の気持ちを一方的に「吐き出す」ことに向いています。SNS上での人間関係が面倒な方や、SNS疲れを感じている方におすすめのアプリです。

【Twitter】140字以内で気軽に投稿

  • 要約を投稿する
  • 勉強記録をつける
  • 情報を集める

【Instagram】写真・動画の投稿に特化

  • 勉強記録を残す
  • 自作ノートの写真を投稿する
  • ハッシュタグでほかのユーザーとつながる
  • 勉強の様子を動画で撮影・公開する
  • 情報を集める

【Tumblr】長文の投稿に最適

  • 学んだことをアウトプットする
  • 勉強を振り返って文章化する
  • 情報を集める

【みんチャレ】5人1組で励まし合い、勉強を習慣化

  • ほかのユーザーと交流し、モチベーションを高める
  • 勉強記録をつける

【Clear】勉強ノートの共有に特化

  • ほかのユーザーのノートを参考にする
  • 自作ノートの写真を投稿する

【ilka】ほかのユーザーとつながらず、匿名利用

  • 弱音や愚痴を吐き出し、心の癒やしにする
  • ほかのユーザーの本音に共感し、励みにする

ご紹介した6つのSNSを使い分け、勉強をより楽しく、効率的に進めていきましょう!

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SNSを勉強に使うときの注意点

ただし、SNSを勉強ツールとして利用する場合には、いくつかの注意点があります。

使いすぎない

SNSをうまく使えば「みんな勉強を頑張っているんだ。自分も頑張ろう!」とモチベーションが高まるものの、使いすぎるのは逆効果です。ITと精神衛生の関係などを研究するブライアン・A・プリマック准教授(ピッツバーグ大学)らが2017年に発表した論文によると、SNSを一日2時間以上利用する人は、30分未満の人に比べ、社会的孤立を感じる確率が2倍になるそう。

自分の投稿に「いいね」やコメントがつかずヤキモキしたり、友だちの楽しそうな投稿を見て羨望を覚えたりした経験は、誰にでもあるでしょう。モチベーションを高めようとSNSを使い始めたのに、むしろモチベーションが下がってしまうかもしれないのです。

SNSの使用は一日30分、長くても1時間程度に留めましょう。自分でコントロールするのが難しければ、スマートフォンの使いすぎ防止アプリなどを試すといいでしょう。詳しくは「デジタルデトックスをやってみよう! 自宅・キャンプなど方法6選」をご覧ください。

人間関係に配慮する

SNS上では、人間関係に気をつけましょう。勉強専用のアカウントをつくり、プライベートや趣味のアカウントと分けるのが無難です。友人との交流に使用しているアカウントで勉強の話題ばかり投稿すると、煙たがられてしまう恐れがあります。

もちろん、勉強仲間との関係にも配慮が必要。口論したりマウンティングし合ったりするようになったら、それこそ “SNS疲れ” です。SNSは、あくまで勉強を効率化するために使うもの。批判や自慢は投稿しないほうがいいでしょう。

情報を信じすぎない

SNSで手に入る情報は玉石混交。正しく有益なものも、まったくデタラメなものもあります。SNS上の情報はうのみにせず、必ず別のソースを探して裏をとりましょう。

SNS上の情報には「偏り」の問題もあります。気に入ったユーザーだけフォローしているため、「自分が見たいと望む情報」ばかりが飛び込んでくるのです。

SNSには、生きた情報をスピーディに得られるという大きなメリットがありますが、SNSだけで情報を集めるのは危険です。SNSだけでなく、本や参考書、信頼できる団体が運営するWebサイトなど、勉強に関する情報は多様なソースで収集しましょう

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SNSには、勉強ツールとしての大きな可能性が秘められています。長所・短所を把握したうえで正しく付き合いましょう。すでにSNSを常用している方も、あまりなじみがない方も、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

(参考)
PR TIMES|【朝日学生新聞社×アルクテラス】中高生の勉強へのSNS活用状況調査
CNET Japan|受験でTwitterやInstagramの「勉強垢」を活用する高校生
塚本亮(2020),『頭のいい継続こそ力なり。』, すばる舎.
佐々木恵(2016),『「結果を出す人」だけが知っている勉強のヒント! 思考の個性で勉強しよう!』, ごきげんビジネス出版.
Karpicke, Jeffrey D. and Henry L. Roediger III (2008), "The Critical Importance of Retrieval for Learning," Science, Vol. 319, No. 5865, pp.966-968.
WEDGE Infinity|記憶力を鍛えるのは入力じゃなくて出力です
樺沢紫苑(2019),『学び効率が最大化する インプット大全』, サンクチュアリ出版.
樺沢紫苑(2018),『学びを結果に変える アウトプット大全』, サンクチュアリ出版.
EurekAlert!|More social connection online tied to increasing feelings of isolation

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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