知らぬ間に孤立する「敵をつくりがちな人」の口癖3つ。信用も評価も下がり続ける

「すぐ敵をつくってしまう人」の最悪な口癖3つ01

「仕事はまじめにやっているのに、上司や同僚からなぜか距離を置かれている」
「自分が何かを言ってから、職場で浮いてしまった気がする……」

はっきりとした理由は定かでないけれど、職場で孤立してしまった経験のある方はいませんか。

その原因は、あなたが普段の会話でなにげなく使っている “あの言葉” かもしれません。今回は、知らないあいだに周囲に敵をつくり、自らを孤立させてしまう口癖を3つご紹介します。ご自身は当てはまっていないか、ぜひチェックしてみましょう。

【口癖1】「どうして、いつも〜するの?」

部下や後輩に注意する際、どうして、いつも〜するの?と無意識に言っていませんか? その口癖があると、「この先輩の言うことは聞きたくない……」と思われてしまいかねません。

なぜなら、「そんなに責めなくたっていいじゃないか」という思いを相手に抱かせてしまうからです。

『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく』共著者で心理研究家の津田秀樹氏と精神科医の西村鋭介氏によると、「いつも」という言葉は、人間関係をこじらせる「極端語」であるそう。

津田氏らが挙げるのが、こんなシチュエーションです。部下が同じミスを2、3回繰り返したので、「ミスをなくしてもらいたい」と強く思うあまり、「どうして、いつも同じミスをするの?」と指摘した――。

このシチュエーションで、上司は「いつも」と言っていますが、実際は「いつも」ではないかもしれません。部下からしてみると、過去にはミスせず正しく行なえたこともあるのに、上司から「いつも」と言われたら、内心「いつもではないのに……」と反発したくなるもの。反省するどころかやる気をなくしかねません

つまり「どうして、いつも〜するの?」は、相手の意欲をまったく考慮していない言い回しなのです。

津田氏と西村氏は、ほかにも以下の言葉を「極端語」として挙げています。いわゆる全否定の言葉です。

  • 絶対(例:○○するとき、絶対間違えるよね)
  • ちっとも(例:ちっともできるようになっていないよ)
  • なんにも(例:なんにもわかっていないな)
  • 全然(例:あの人は、全然できていない)

部下を指導する際は、これらの「極端語」を避けましょう。たとえば、「今日のミスはどうして起きたんだろう?」といったように、目の前の事実にのみフォーカスして話をするといいかもしれませんね。一方的な決めつけをやめれば、人間関係をこじらせることなく、部下の行動改善を促せるはずです。

「すぐ敵をつくってしまう人」の最悪な口癖3つ02

 

【口癖2】「最近の若い人は」

ミスした部下を指導するとき最近の若い人はこれだからダメなんだよ……」「自分が若手のときはこうだったのに……などと言っていませんか。もし当てはまるなら、あなたは部下からすでに、冷めた目で見られているかもしれません。

組織人材開発コンサルタントの野崎大輔氏によると、これらの言葉が口癖になっている人は、「過去」を基準に自分の価値観を押しつけているだけなのだそうです。「現在」を見ていないことの証拠が、この口癖なのだとか。

たとえば、長時間労働が当たり前だった時代に気合と根性で残業をこなしていたエピソードをもち出して、「最近の若い人は弱すぎる」と言うようなケースがこれにあたります。そんな、時代背景や労働環境を無視する自分本位な人を、野崎氏は “恐竜” と呼んでいます。

“恐竜” 的な上司が「最近の若い人は」と言うとき、本人は自分の過去を美化しているそうです。ですが、過去の武勇伝は、部下からすればただの自慢話。そんな話をしてくる上司とは、距離を置きたくなって当然だと野崎氏は指摘します。

しかも、上司本人は、距離を置かれている状況にすら気づかないもの。上司の上司、つまり経営幹部の人たちにまで、「自分の都合の悪いところは見ない人だ」と悪く評価されると言います。

ですから、自分の若手時代の経験を絶対視してはいけません。仮に自分の若い頃を引き合いに出すとしても、「過去を基準にして価値観を押しつける」のではなく、「現在に目を向けて部下をほめる」のであれば、適切だとのこと。たとえば「私の若い頃より、○○さんはずっとうまくやれているよ」と伝えてあげるイメージです。

周囲から見放されることのないよう、言葉選びには注意したいものですね。

「すぐ敵をつくってしまう人」の最悪な口癖3つ03

【口癖3】「努力します」

ここまで、上司の視点で「孤立しかねない口癖」を取り上げてきました。最後は、主に部下の立場に当てはめやすいものをご紹介します。

あなたは、上司から指導を受けたとき、勉強になりました、これから努力しますと曖昧に受け答えしていませんか? 「〇〇できるように頑張ります」「〇〇に挑戦します」なども同様。こういう “中身のないフレーズ” をよく言っていると、上司に信用してもらえなくなる可能性があります。

『いくつになっても「求められる人」の小さな習慣』などビジネス書を数多く執筆する著作家の中谷彰宏氏によれば、「勉強」「努力」「挑戦」といった抽象的な言葉を使う人は、人から “求められない” とのこと。具体的に何をするかに言及しない「便利な逃げ言葉」を安易に使う人は、結局何もしないから――というのがその理由です。

信用を失って、上司からもほかの人からも仕事を振ってもらえなくなったら、いつの間にか職場で孤立してしまう可能性大……。

仕事では、具体的な目標や行動を伝える人こそが信用される、と中谷氏は言います。あわせて、スピード重視で実行することも大切だのこと。以下に例を示しましょう。

【例1】会議資料の作成が遅れている場合

NG:「すぐにつくり終えるように努力します」
OK:「14時までに作成して、メールでお送りします」

 

【例2】ミス内容について上司から指導を受けた場合

NG:「ありがとうございます。勉強になりました」
OK:「ありがとうございます。○○という点が改善点だと分かったので、明日作業をする際は、××を実行します」

このように、具体的な時間や内容を明確に伝えたうえで、すぐ実行に移しましょう。信頼され、多くの人に求められる人を目指してくださいね。

***
知らないあいだに周囲に敵をつくってしまう、そして職場での孤立につながりかねない最悪な口癖を3つご紹介しました。つい口にしていた言葉が、なかにはあったかもしれません。これからはぜひ、信頼を得られるような言い回しに変えてみてください。

(参考)
プレジデントオンライン|「こんなの小学生でも覚えられるよ」職場で敵を作りやすい人の"残念な3つの口癖"
経済界ウェブ|「最近の若いやつは」が口癖の恐竜上司は孤立させよ
ダイヤモンド・オンライン|仕事で信用されない人がよく言う3つの言葉とは

【ライタープロフィール】
YG
大学では日韓比較文学を専攻し、自身の研究分野に関する論文収集に没頭している。言語学にも関心があり、文法を中心に日々勉強中。これまでに実践報告型の記事を多数執筆。効果的で再現性の高い勉強法や読書術を伝えるべく、自らノート術や多読の実践を深めている。

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