成功者の習慣8個。続ければ年収が4倍に!?

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成功者の習慣の共通点は何だと思いますか? 仕事を通じて自分を高めたい人も、もっとお金を稼ぎたい人も、成功者の行動を習慣化すれば理想に近づけるはず。

失敗を恐れないこと? それとも時間を大事にすること? この記事では、成功者の習慣8個をご紹介します。

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仕事&勉強がきっとうまくいく「脳にいい習慣」7選

成功者の習慣と非成功者の習慣の違い

まずは、成功者の習慣と非成功者の習慣の違いを大まかに比べ、成功する人は何が違うのか明らかにしてみましょう。

1. 目標設定

成功者は目標を掲げて努力することを習慣とする一方、非成功者は特に目標を決めず、なんとなく過ごしているようです。

Webメディア「しらべぇ」は2018年、20~60代の男女(有効回答数1,357)を対象に、目標の有無と収入の関係についてインターネット調査を実施しました。回答者の年収を「300万円未満」から「1,000万円以上」の5段階に分けたところ、「人生に目標がない」と答えた人は「300万円未満」だと46.8%、「1,000万円以上」では19.4%と、大きな差がつきました。

東京大学在学中に司法試験・国家公務員試験に合格し、米ニューヨーク州の弁護士資格をも取得したことで知られる山口真由氏も、目標を持つことの重要性を強調しています。しかも、長期的な目標だけでなく、そこに至るまでの小さな目標も設定するべきなのだそう。小目標をクリアしていくことで達成感が得られるだけでなく、適度な負荷がかかりつづけることで、ストレス耐性も鍛えられるのだそうです。

2. 継続

成功者は、健康管理や勉強などポジティブな習慣を継続している一方、何かを継続している非成功者は少ないようです。

2009年、ビジネス誌『プレジデント』に掲載されたインターネット調査は、年収500万円台の500人と年収2,000万円以上の500人を比較したものでした。それによると、「やると決めて毎日(毎週/毎月)継続していることがある」という項目にYESと答えたのは、500万円台の人で34.4%、2,000万円以上の人で45.2%。「日記、体重など、行動や数字を記録する習慣がある」という設問にYESと答えたのは、500万円台の人で17.0%、2,000万円以上の人で27.2%でした。

仕事や勉強において目標を達成するには、「続ける」ということが欠かせません。どんなに立派な目標を掲げても、達成する前に努力をやめてしまっては元の木阿弥です。日米の野球界隈で伝説的な活躍を見せた鈴木一朗氏も、「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへいくただひとつの道だ」と口にしています。

3. 振り返り

成功者は、仕事をするうえで目標を持ち努力を続けるだけでなく、成果の振り返りを行っている一方、非成功者の多くは振り返りをしていないようです。

「しらべぇ」が2018年、PDCAサイクルを知っている20~60代の男女(有効回答数380)を対象に、PDCAと収入の関係についてインターネット調査を実施したところ、年収が「300万円未満」の人でPDCAサイクルを回しているのはわずか28.8%、「70~1,000万円未満」では67.3%でした。なお、「1,000万円以上」の人だと56.5%がPDCAサイクルを回しているそうです。

PDCAサイクルとは、目標達成までの計画を立て、実行し、成功/失敗の要因を分析したうえで、また新たな計画を立てるという一連の流れ。「うまくいった、やったぞ!」や「失敗してしまった、次は気をつけよう……」で終えるのではなく、うまくいった/いかなかった理由を分析し、改善につなげる方法です。

「習慣化」による成長を重視する、習慣化コンサルティング株式会社代表取締役の古川武士氏は、振り返りの必要性を以下のように述べています。

どんなに成功だと思っている経験にも改善点はあるし、失敗だと思っていることのなかにも「やって良かったこと」が眠っているのです。感情論ではなく、冷静になって「プラス」と「マイナス」を整理して改善を考えることが有効です。

(引用元:StudyHacker|“失敗を恐れる人” に表れる3つの危ない思考習慣。「成功か失敗か」だけの判断は偏りすぎている。

まとめると、成功者の習慣は以下のとおり。

  • 目標を設定している。
  • 努力を継続している。
  • 行動を振り返っている。

成功者の習慣2

成功者の習慣

成功者の習慣を取り入れれば誰でも大成できる……というわけではないとはいえ、「目標設定」「継続」「振り返り」の3つは、仕事にも勉強にも欠かせない要素であるのは間違いありません。しかし、取り入れるにしても、物事を分析したり地道に努力したりというのは、一朝一夕でうまくいくわけではないでしょう。

まずは、日常生活に小さな習慣を取り入れ、心身の調子を整えてみてはいかがでしょうか。

1. すぐ行動する

成功者に近づくには、物事を先延ばしにせず、すぐにとりかかる習慣を身につけましょう。先延ばしにする癖がある人は、この機会に改善してみてください。先延ばしすることにメリットはほとんどなく、以下に挙げたようなデメリットばかりです。

  • ストレスが溜まる。
  • 集中力が低下する。
  • 時間に追われつづける。

やるべきことを先延ばしにしていると、「やらなければいけないのに、なかなかやる気になれない」ことに対して自己嫌悪が募ります。ストレスが溜まり、イライラして、周囲の人に八つ当たりしてしまうかもしれません。

また、やるべきことを先延ばしにしていると、その用事に関する記憶は頭のなかに残りつづけます。脳に負担がかかった状態なので、認知機能が低下し、目の前のことを集中してこなせなくなってしまいます。これでは、仕事でも勉強でも本来のパフォーマンスを発揮できませんね。

そして、やるべきことになかなか手をつけず、いつもギリギリで終わらせる癖のついてしまった人は、心に余裕をもつことができません。「用事が終わったから、あとの時間は好きに使おう」とリラックスして過ごすことができず、「締め切りまであと3日ある。まだ大丈夫だろう……」「締め切りまであと2時間しかない、もっと早くやればよかった!」と、常に時間を気にしつづけることになります。自分でスケジュールを管理できず、時間に追い立てられているようでは、成功にほど遠いといえるでしょう。

まずは、「メールに返信する」「プリントをファイルに整理する」「食器を洗う」など、すぐにできる簡単なタスクの先延ばし癖をやめることから始めてみては? 『ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則』(二見書房、2006年)を著した、生産性向上コンサルタントのデビッド・アレン氏は、「2分ルール」を推奨しています。2分以内で終わる小さなタスクなら、やるかやらないか悩まず今すぐ片づけろ、というものです。たった2分で終わる簡単な用事のために、上で挙げた大きすぎるデメリットを被らないよう、2分ルールを意識してみましょう。

「面倒くさがらずに用事をすぐやる」という「意志力」を保つには、ふだんから姿勢を正すように心がけるのも有効です。社会心理学者のロイ・バウマイスター教授(豪クイーンズランド大学)らが1999年に発表した研究では、被験者を3つのグループに分け、それぞれに2週間のあいだ「姿勢を正すように意識する」「感情を制御するように意識する」「食事の内容を記録する」よう指示しました。実験の前後に意志力(セルフ・コントロール能力)の消耗具合を測定したところ、特に「姿勢を正すよう意識」「食事内容を記録」のグループで「意志力」の消耗速度が落ちたそう。

あなたも、仕事中や勉強中に「あっ、いま猫背になっている」「これは腰に負担をかける座り方だな」と気づいたら、すぐに姿勢を直すようにしてみてください。あわせて、健康のためだと思い、食事内容をメモ帳やアプリケーションに記録する習慣をつけるのです。そうすれば、物事を後回しにせず、すぐやる人間に近づけますよ。

2. よく寝る

充分な睡眠を毎日とることは、成功者の習慣として基本です。

睡眠とパフォーマンスの関係を研究するハンス・ファン・ドンゲン教授(ワシントン州立大学)などによって2003年に発表された論文によると、睡眠時間を制限した被験者たちをラボ内で14日間生活させつつワーキングメモリの働きを測定する実験が行われました。睡眠時間8時間の群・6時間の群・4時間の群の差はどんどん大きくなり、14日後、4時間睡眠群のワーキングメモリ能力は2日間眠らせなかった群と同程度にまで下がり、6時間睡眠群のワーキングメモリ能力も、1日眠らせなかった群と同程度に下がってしまったそうです。

つまり、4時間睡眠はもちろん、6時間睡眠も不十分だということ。アメリカ睡眠医学会は、1日7時間以上の睡眠を推奨しています。

しかし、読者の皆さんの多くは、7時間も眠れていないのではないでしょうか? 厚生労働省が2017年に行なった「国民健康・栄養調査」によると、20歳以上で一日あたり平均睡眠時間が6時間以上7時間未満の人は34.2%。6時間未満の人は39.1%もいました。

睡眠が不十分だと、体調を崩しやすくなるばかりか、認知機能が衰えて仕事や勉強に支障をきたしてしまいます。成功者となるには、充分な睡眠の確保は絶対に欠かせないのです。

では、どうすればよいのでしょう? 睡眠時間が短くなってしまう原因はさまざまですが、そのひとつとして挙げられるのが「明るすぎる光」です。

睡眠コンサルタントの友野なお氏によると、PCやスマートフォンの液晶画面から目に飛び込んでくる光は、ブルーライトを多く含んでおり、メラトニンという脳内物質の分泌を妨げます。メラトニンは、体内時計を調節する役割のほか、睡眠作用を有します。つまり、夜にはメラトニンが分泌されて自然と眠くなるはずなのに、寝る前に強い光を見ると眠気が吹き飛び、なかなか寝つけなくなってしまうのです。

友野氏は、「最低でも就寝30分前からは、パソコンを閉じる、スマートフォンを手放す」べきだと話しています。そして、就寝1時間前には、部屋の照明を暗めの暖色系に切り替えるのが大切なのだそう。

皆さんも、部屋の照明の光量を調整できるのであれば、できるだけ量を絞ってみてください。光の色も、青くて白々しいものから、暖炉の炎をイメージさせるようなオレンジ色に変えましょう。

リモコンなどで照明の光量や色を調整できないのであれば、この際、買い換えるのがおすすめ。その価値があるくらい、睡眠は重要なのです。

3. 早く起きる

成功者の仲間入りをするには、早起きの習慣を身につけるのがおすすめです。自律神経などを研究する小林弘幸教授(順天堂大学)によると、「いつもより1時間早く起きることを習慣にしてみてください」とのこと。

1時間早く起きれば、朝食をとったり身だしなみを整えたりする時間を充分に持て、自律神経が整えられるそう。結果として、一日中高いパフォーマンスで活動できるということです。

反対に、遅く起きて朝を慌ただしく過ごし、朝食をとったり持ち物を確認したりすることもなく、遅刻ギリギリの時間に家を出て駅まで走るような生活だと、交感神経が極端に優位になって自律神経が乱れ、その日中ずっと、高いパフォーマンスを発揮できないのだそうです。

自律神経は、交感神経と副交感神経とに分かれています。交感神経は、心拍を速めたりアドレナリンの分泌を促したりなど活発な活動時に機能する一方、副交感神経は心拍を遅くしたり胃での消化を促進したりなど、リラックス時に機能します。交感神経と副交感神経はどちらも重要で、バランスよく機能するべきものです。

しかし、厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」によると、不規則な生活などの原因によって自律神経が興奮しつづければ、自律神経のバランスが崩れてしまうそう。自律神経がうまく機能しないと、以下をはじめとしたさまざまな不調が発生します。

  • 眠れない。
  • 疲れがとれない。
  • 呼吸が苦しい。
  • お腹が痛い。
  • イライラする。
  • 不安な気持ちになる。

自律神経のバランスが崩れると、心身の健康が損なわれるわけです。上記のような状態では、仕事や勉強で成果を出すどころではありませんよね。そのため、仕事や勉強で成功したいなら、自律神経のバランスを保つべく、朝は早起きして余裕をもって支度する習慣を身につけるべきなのです。

起きる時刻を早めても、睡眠時間を減らしては健康を損なってしまうので、早く起きるなら寝る時刻も早くする「早寝早起き」が基本。しかし、睡眠コンサルタントの友野なお氏によると、場合によっては「遅寝早起き」が必要になるとのこと。

「遅寝早起き」に取り組むべきなのは、電気を消してベッドに入ってもなかなか寝入ることができない、「睡眠効率」の悪い人。友野氏によると、健康な人は床に就いて10分程度で眠りに落ちる一方、30分以上も眠れないままだと焦りや不安が募り、「ベッド=眠れない場所」だと脳が認識してしまう可能性があるそう。すると、ますます眠りづらくなってしまいます。

ベッドに入ってもなかなか寝つけない人は、「早寝早起き」よりも「遅寝早起き」を目指しましょう。自然と眠くなるような遅い時間にベッドに入れば、入眠まで時間はかからないはず。

こうして睡眠効率が高まってきたら、ベッドに入る時間を15分だけ早めるのです。そして寝る時間を少しずつ早めていき、最終的には充分な睡眠時間を確保する「早寝早起き」に移行します。成功者の習慣である「早寝早起き」は、こうして身につけるのです。

4. 本を読む

成功者の習慣としては、読書も欠かせません。テレビや雑誌などさまざまな媒体で活躍している脳科学者の中野信子氏によると、「目標達成における勝率」を高めるには「言語性知能」と「非言語性知能」を鍛えることが必要。そして、「言語性知能」を高める手段のひとつが読書なのだそうです。

「言語性知能」とは、中野氏の言だと、「脳の『側頭葉』という部分に溜まっていく記憶のデータベースのようなもの」。つまり、知識や経験です。本を読むと、語彙が増えたり知識が広がったりするだけでなく、著者の経験談を読むことで擬似的に何かを体験することができます。経験を増やすには、習い事を始めたり転職したり旅に出たりするのももちろん有効ですが、本を読むほうが簡単ですよね。

中野氏によると、読む本のジャンルは何でもかまわないのだそう。小説でもビジネス書でも、書かれている内容を自分の現実に置き換えて想像をめぐらせるのが大事なのです。

「学生時代はよく本を読んでいたけれど、社会人になってから離れてしまっていた」という人は、昔好きだったジャンルの本を。「読書の経験はあまりなく、何を読んでいいのかわからない」という人は、「ビジネス書ビギナーがいきなり『名著』に手を出してはいけない理由。」でおすすめのビジネス書を3冊紹介しているので、参考にしてみてください。

さて、読書を習慣づけるにあたり、問題となりがちなのが「時間がない」ということです。しかし、必ずしもまとまった時間を確保する必要はありません。

「東京大学を首席で卒業」「米ニューヨーク州の弁護士資格を取得」など猛勉強の成果が知られる山口真由氏は、常に本を持ち歩き、「4分待ち時間があれば、どんな場所でもためらいなく本を開く」のだそう。たとえば、待ち合わせをしているとき、列に並んでいるとき、同行者がトイレのため離席しているときなどです。

皆さんも、出かけるときは常に本を持ち歩く習慣をつけましょう。新書や文庫本を1冊カバンに入れるくらいで、邪魔になることはありません。忘れないよう、前日の夜に読む本を決め、カバンに入れておきます。

そして、電車に乗っているあいだはもちろん、ホームで電車を待っているときも立ちながら本を開くのです。昼休みや、店で食事を注文して提供を待つあいだの時間にも読書します。慣れてしまえば、自動的に本を開くクセがつきますし、スマートフォンをいじるよりも有意義な時間を過ごせますよ。

成功者の習慣3

5. 適度に休憩する

成功者に近づくには、適度に休憩をとる習慣を身につけることも肝心。独学で東京大学だけでなく米ハーバード大学にも合格し、『最強の暗記術 あらゆる試験・どんなビジネスにも効く「勝利のテクニック」』(大和書房、2018年)を執筆した本山勝寛氏は、集中力を維持するため「決まった時間ごとに休憩する」ことが大事だと断言します。人間の集中力は1時間程度しか続かないため、目安として1時間ごとに10分間の休憩を挟むべきなのだそうです。

一般的に、仕事や勉強に集中しているときは、椅子に座って机に向かっているはず。長時間座りつづけると、血流が滞って脳に充分な血液が送られず、実際に脳の働きが鈍ってしまいます

立命館大学・総合科学技術研究機構の研究員である塚本敏人氏らが2014年に発表した論文によると、血流速度を減少させた状態で被験者に課題を行なわせたところ、通常時に比べて反応速度・正答率が優位に下がったそう。座り姿勢が長く続いているときも、血流量が減少するため、同様に認知機能が低下してしまう可能性があります。下半身の血液を上方に押し戻すはずのふくらはぎが動かないため、全身の血流が滞ってしまうからです。

脳を活性化させて仕事・勉強に充分なパフォーマンスを発揮するには、座りっぱなしにならず、1時間に1回程度は小休憩をとり、立ち上がってトイレに行ったりコーヒーを淹れたりしましょう。パフォーマンス向上のために意識して休憩を入れるのが、成功者の習慣なのです。

6. 運動する

成功者の習慣としては、運動も外せません。前米大統領(2009~2017)のバラク・オバマ氏は、健康なライフスタイルで知られています。米国の『Mens' Health』誌上において、1週間のうち6日は45分間の運動をしていると述べたことがあるそう。

オバマ氏は、2004年の上院議員選挙運動中という多忙な時期にも、運動のための時間を確保しようと努めていたのだとか。選挙運動を支えていた政治コンサルタントのジム・コーリー氏によると、オバマ氏は「運動の時間をもらえれば、残りの時間はもっと生産性が上がるよ(The rest of my time will be more productive if you give me my workout time)」と主張していたのだそうです。

運動によって生産性が上がるとは、どういうことでしょう? 理由のひとつは、運動によって血流量が増え、脳の活動に充分な酸素が供給されるため、脳が活性化するから。

脳にはさまざまな部位がありますが、特に重要なのが「前頭前野」。東京都医学総合研究所の特任研究員である渡辺正孝氏によると、前頭前野は以下をはじめとする機能を持っています。どれも、冷静かつ効率的に仕事・勉強に取り組むには欠かせないものですね。

  • ワーキングメモリ(一時的な情報記憶)
  • 反応抑制(セルフコントロール)
  • 行動の切り替え
  • プランニング(目標達成のための計画)
  • 推論
  • 意思決定

脳には「海馬」という、学習・記憶をつかさどる部位もあります。神経内分泌学などを専門とする征矢英昭教授(筑波大学)らの研究グループが2018年に発表した研究によると、10分間のペダルこぎという「超低強度運動」の直後に被験者が記憶課題に取り組んだところ、安静時と比べて成績がよかったそう。海馬と周辺領域との情報伝達が活発化した人ほど、成績向上の度合いが大きかったため、「超低強度運動は記憶能の向上に資する」と明らかにされたのです。

脳を活性化し、仕事も勉強も効率よくこなして成功者となるには、軽い運動が効果的というわけ。そこでおすすめしたいのが、ウォーキングです。筆者はほぼ毎日、夕食後に自宅周辺を数十分~1時間歩いていますが、疲れるというほどではないのに適度な汗をかけ、頭がスッキリして精神的なストレスが緩和されるのを感じています。

習慣化コンサルタントの古川武士氏も、夜に講座音声を聴くなど「オーディオ学習」をしながらウォーキングする習慣があるそう。軽い運動でリラックスしつつも耳から勉強できる、一石二鳥の方法ですね。

7. 趣味を大切にする

成功者の習慣としては、仕事や勉強など「やるべきこと」「やらなくてはいけないこと」ばかりに時間を割くのではなく、楽しみの時間を持つことも大切です。山口真由氏は、どんなに忙しくても、一日90分の「好きなことをする時間」を確保しているそう。

常に効率ばかりを追求して動いていると、ある時点で「もう何もしたくない……」という気分に陥り、仕事・勉強に全く集中できなくなってしまうのだとか。それに、短期的に役立つことばかりに目が向いていると、クリエイティブなアイディアが沸いてこなくなり、長期的には行き詰まってしまうのだそうです。

転職支援を手がけるアクシスコンサルティング株式会社のキャリアアドバイザー・洲脇豪人氏も、転職希望者と話していると、「優秀な人ほど趣味の時間を死守している」と感じるそう。優秀だからこそ時間管理能力に優れ、趣味の時間を捻出できるというだけでなく、趣味を全力で楽しむことが仕事に良い影響を与えている、という面もあるそうです。

仕事上のストレスと健康の関係などを研究するケビン・エシュルマン准教授(サンフランシスコ州立大学)らが2014年に発表した論文は、クリエイティブな活動が仕事に及ぼす影響を調査したものでした。参加者341人にアンケート調査を実施したところ、余暇に「クリエイティブな活動(※)」をした人ほど、「回復体験(Recovery Experience)」を強く感じ、仕事面で優れた成果を発揮できたと実感していたそうです(※芸術に限らず、行為者が「クリエイティブだ」と感じる活動)。

「回復体験」とは、以下の4つの要素で構成されているものです。

  • 学習(Mastery):講座に参加するなどの活動
  • 自己統制(Control):余暇の活動を自分で選べる状態
  • 距離感(Detachment):仕事から離れられているという感覚
  • 安らぎ(Relaxation):少ない活動量でもポジティブな心理状態

そして、「クリエイティブな活動」をした人は、「学習」「自己統制」「安らぎ」の要素を強く感じられたとのこと。論文では、各要素が仕事に与えるポジティブな影響を以下のように解釈しました。

  • 学習:仕事で役立つスキルを獲得できる。
  • 自己統制:自分は仕事の成果を左右できると確信できる。
  • 安らぎ:ポジティブな気持ちになれる。

成功するには、仕事や勉強ばかりでなく、趣味の時間も大切にするべきである理由がわかりましたね。皆さんも、忙しい日々のなか、「それよりも優先しなきゃいけないことがあるから……」と諦めず、自由時間を積極的に確保してみてください。

1日130分のムダを発見できた! お手軽ノート習慣『行動記録』で時間ダイエットを。」では、ライターが1日2時間もの時間を捻出した方法をご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

8. メモを取る

成功者の習慣としては、頭に浮かんだ思考や感情をそのままにせず、紙に書き出すということもおすすめです。野球選手時代に三冠王やホームラン王となり、監督としても高く評価されている野村克也氏は、こまめにメモをとる習慣を現役時代から大事にしていたそう。

現役時代から無知無学を自覚していたわたしは、いつもメモ帳をそばに置き、気づいたことや感じたこと、見たこと、聞いたことを書き込んでいた。(中略)

わたしは寝ているときも、テレビを観ているときも、気がついたことをすぐに書き留められるよう、必ず近くにメモ帳と鉛筆を用意していた。

(引用元:StudyHacker|“最強の知将” 野村克也はメモ魔だった。「紙に書く」がスキルアップに効く納得の理由。

野村氏がメモの習慣を重視する理由は、以下の2つ。

  1. 感じることも習慣になるから。
  2. 人間は忘れやすい生き物だから。

メモ帳には、見聞きした情報だけでなく、情報を受けて自分が感じたこと・想像したことも書き込みます。たとえば、以下のような具合です。

Twitterで、同業他社の新サービスが話題になってトレンド入り。次の会議で共有。うちもTwitterでの話題性を意識するべきでは?

課長によれば、次の企画のテーマは「社会科学」。難しそう。早めに初心者向けの本読んでおく。

このように、「情報+気づき」をすぐにメモする習慣をつけると、大事な情報を忘れず、有効活用することができます。それだけでなく、目の前を流れていく情報を「ふーん」と見送ってしまわず、情報の意味や背景・活用法を自分で判断できる能力も身につくのです。

人材採用アドバイザー・米田靖之氏も、思いついたことをすぐにメモする習慣を続けています。けれど、メモを読み返すことはほとんどないのだそう。では、何のためにメモをするのでしょう? 米田氏は以下のように語ります。

メモしなければすぐに忘れてしまうことも、メモすることでその思いつきが潜在意識に固定化されます。それがのちのちどこかで生きてくる。

(引用元:StudyHacker|これからの時代に求められる「変な人」は「感動する心」を忘れない——人材採用アドバイザー・米田靖之さんインタビュー【第3回】

メモを取った紙ではなく、メモを取る行為自体が大事だということ。そのままでは流れていってしまう情報も、書き留めるという動作を経ることで、記憶の隅に残すことができます。そして、蓄積された情報や気づきが、あるとき突然つながり、「ひらめき」を生み出すというわけです。

皆さんも、少しでも疑問に思ったことや、ふと浮かんだアイディアを、すぐにメモする習慣を身につけましょう。メモ帳アプリケーションを利用するのも手ですが、おすすめは、メモ用紙にペンで手書きすること。

商品開発コンサルタントとして活躍し、アイディア創出のためにちょっとした気づきを大切にする美崎栄一郎氏は、メモを手書きで行なっているそうですが、その理由は「スピードを重視しているから」。スマートフォンのフリック入力よりも速く文字を書けるし、矢印や図も自由に描けるとのこと。たしかに、手書きならば入力や予測変換のミスは起こりえませんし、せっかく浮かんた自由なアイディアを、アプリケーションの書式に合わせて調整する必要はありませんよね。

そして美崎氏によると、メモ帳を選ぶ際には大きさをよく考えることが重要。自分がメモ帳を使うシーンを考慮してサイズを決めるべきなのだそうです。たとえば、新聞記者ならいつでも持ち歩いてすぐ取り出せるよう、胸ポケットに入るサイズ、デスクに向かって座りながら使うというのであれば、机の空きスペースに応じたサイズ、という具合に。

小さければいい、大きければいい、というわけではないのです。トライアル&エラーを重ねつつ、自分に合ったツールを探してみることも、成功者の習慣としては大事だといえます。

***
成功者の習慣を8個ご紹介しました。いずれも、それほど難しいものではありません。いちばん簡単そうなものからやってみて、心身のコンディションを整え、仕事・勉強での成功を目指しましょう!

(参考)
StudyHacker|目標値は “プラス5%” がちょうどいい。勉強で結果を出す人の「目標設定」ふたつのルール。
StudyHacker|「脳の活性化」の方法を徹底的に考えてみた。効果的な食べ物は、みんな知っている〇〇だった。
StudyHacker|あなたの集中力を奪う2つの “身近な” 悪習慣。今すぐ脳を救え!
StudyHacker|習慣が人をつくる——故事や名言から紐解く「小さな積み重ねと習慣の大切さ」
StudyHacker|“失敗を恐れる人” に表れる3つの危ない思考習慣。「成功か失敗か」だけの判断は偏りすぎている。
StudyHacker|「先延ばし癖の放置」が最悪な3つの理由。気づかずに脳に負担をかけているかも。
StudyHacker|言い訳の前にまず動く! 「2分ルール × 5秒ルール」で迷わず行動できる人になれる。
StudyHacker|良質な眠りのカギは『睡眠五感』アプローチ! 眠れる「からだ」と「こころ」と「脳」をつくろう——友野なお『できる大人の「やすみかた」』第7回
StudyHacker|あなたの眠りは何点? 睡眠効率を上げる「遅寝早起き」の取り入れ方——友野なお『できる大人の「やすみかた」』第8回
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プレジデントオンライン|「年収2000万社員vs500万社員」実労半分、成果5倍の法則30【3】
アクシスコンサルティング|できる人には必ず趣味がある! 社会人におすすめの趣味7選
厚生労働省|平成29年「国民健康・栄養調査」の結果
e-ヘルスネット|メラトニン
e-ヘルスネット| 自律神経失調症
脳科学辞典|前頭前野
MSDマニュアル家庭版|自律神経系の概要
龍谷大学|第二言語学習におけるセルフ・コントロールを高める方法への示唆
J-STAGE|自発的過換気による急性の脳血流量の減少が認知機能に及ぼす影響
ARIHHP|★【プレスリリース】短時間の軽運動で記憶力が高まる!~ヒトの海馬の記憶システムが活性化されることを初めて実証~
Van Dongen, Hans, Greg Maislin, Janet Mullington and David Dinges (2003), "The Cumulative Cost of Additional Wakefulness: Dose-Response Effects on Neurobehavioral Functions and Sleep Physiology from Chronic Sleep Restriction and Total Sleep Deprivation," SLEEP, Vol. 26, pp.117-126.
Eschleman, Kevin, Jamie Madsen, Gene Alarcon and Alex Barelka (2014), "Benefiting from Creative Activity: The Positive Relationships between Creative Activity, Recovery Experiences, and Performance-Related Outcomes", Journal of Occupational and Organizational Psychology, Vol. 87, No. 3, pp. 559-598.
American Academy of Sleep Medicine|Seven or more hours of sleep per night: A health necessity for adults
WebMD|The Obamas: First Couple of Fitness

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