
「マーケティング部に配属されたけど、何から勉強すればいいの?」「マーケティングの基礎を体系的に学びたい」「CTRとかCVRとか、用語がわからなくて会議についていけない……」
そんなマーケティング初心者のために、この連載【新人さんのためのマーケティング講座】では、マーケティングの基礎から実践スキルまでを全14回で完全解説します。
マーケティングとは何か、マーケティング部は何をする部署なのか——という入門レベルの疑問から、3C分析・SWOT分析・4Pなどのフレームワーク、SEOやWeb広告などのWebマーケティング手法、CTR・CVR・CPAなどの効果測定指標まで、順番に読み進めるだけで基礎が身につく構成になっています。
・マーケティング部に配属された新入社員
・異動でマーケティングを担当することになった人
・マーケティングの勉強を何から始めればいいかわからない人
・Webマーケティングの基礎知識を身につけたい人
・マーケティング用語を体系的に覚えたい人
・マーケティングの基本的な考え方と役割
・3C分析・SWOT分析・4Pなどのフレームワーク
・Webマーケティングの手法(SEO・Web広告・SNSなど)
・効果測定の指標(CTR・CVR・CPA・ROASなど)
・KGI・KPIの設定方法とマーケティングファネル
・実務で使えるマーケティング用語50選以上
- 【第1章】マーケティングとは? 初心者が最初に知るべき基礎知識
- 【第2章】Webマーケティングの基礎|手法・指標・KPI設計
- 【第3章】Web広告の基礎|種類・選び方・効果改善
- 【第4章】マーケティング用語集|実務で使う専門用語を総まとめ
【第1章】マーケティングとは? 初心者が最初に知るべき基礎知識
マーケティングを学ぶ第一歩は、「そもそもマーケティングとは何か」「マーケティング部は何をするところなのか」を正しく理解することです。
この章では、マーケティングの定義と役割、顧客獲得の仕組み、そして戦略立案に使う代表的なフレームワーク(3C分析・SWOT分析・4P)まで、マーケティングの土台となる考え方を解説します。ここを押さえておけば、この先の学習がスムーズに進みます。
vol.1:マーケティング部ってなにするところ?
「マーケティング=広告を作ること」と思っていませんか?
実はマーケティングの本質は「売れる仕組みをつくること」です。広告宣伝はその一部に過ぎません。
この記事では、マーケティングが担う7つの要素を整理します。
- 顧客理解(誰に届けるか)
- 商品開発(何を届けるか)
- 価格設定(いくらで届けるか)
- 認知拡大(どう知ってもらうか)
- 販売チャネル(どこで届けるか)
- 顧客満足(どう満足してもらうか)
- リピート促進(どうまた買ってもらうか)
また、「広義のマーケティング」と「狭義のマーケティング」の違いを理解することで、自分の担当業務が全体のどこに位置するのかが見えてきます。新人マーケターが最初に読むべき1本です。
vol.2:「顧客獲得の仕組み」をつくるって何をすること?
▶ vol.2:「顧客獲得の仕組み」をつくるって何をすること?
多くのマーケティング部がメインで担当する「顧客獲得」の全体像を解説します。
お客様は、商品を知らない状態から「認知 → 興味 → 検討 → 行動」と心理が変化していきます。この記事では、カフェの新メニューを例に、それぞれの段階で必要な施策を具体的に説明します。
マーケティング活動は大きく3つのステップに分けられます。
- 知ってもらう活動(認知拡大):広告、SNS、PRなど
- 興味を持ってもらう活動(関心喚起):コンテンツ、体験、口コミなど
- 行動してもらう活動(行動促進):キャンペーン、CTA設計など
デジタル施策とリアル施策をどう組み合わせるかの考え方も紹介。「何をすればいいかわからない」状態から抜け出せます。
vol.3:考える武器 "フレームワーク" を手に入れよう
▶ vol.3:考える武器 "フレームワーク" を手に入れよう
マーケティング戦略を考えるとき、「なんとなく」ではなく「根拠を持って」判断するために使うのがフレームワークです。
この記事では、初心者が最初に覚えるべき3つのフレームワークを解説します。
【3C分析】現状を把握する
- Customer(顧客):誰がターゲットか、何を求めているか
- Competitor(競合):競合は誰か、どんな強みがあるか
- Company(自社):自社の強み・弱みは何か
【SWOT分析】自社の立ち位置を深掘りする
- Strength(強み)・Weakness(弱み):内部環境
- Opportunity(機会)・Threat(脅威):外部環境
【4P】具体的な戦略に落とし込む
- Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(販促)
この3つを「3C → SWOT → 4P」の順番で使いこなせば、戦略立案の基本形が身につきます。
【第2章】Webマーケティングの基礎|手法・指標・KPI設計
現代のマーケティングで欠かせないのがWebマーケティング(デジタルマーケティング)です。
この章では、SEO・Web広告・SNSなどの具体的な施策から、CTR・CVR・CPAなどの効果測定指標、KGI・KPIの設定方法、マーケティングファネルの考え方まで、データを見ながら改善を繰り返すための基礎知識を学びます。
vol.4:Webマーケティングってなにをすること? 具体的手法を整理しよう
▶ vol.4:Webマーケティングってなにをすること? 具体的手法を整理しよう
「Webマーケティング」と一口に言っても、その手法は多岐にわたります。この記事では、代表的な7つの施策を整理します。
- SEO(検索エンジン最適化):検索結果で上位表示を目指す
- Web広告:リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など
- SNSマーケティング:X(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどの活用
- 動画マーケティング:YouTube、ショート動画の活用
- コンテンツマーケティング:記事やホワイトペーパーで見込み客を育成
- メールマーケティング:メルマガ、ステップメールでの顧客育成
- アフィリエイト:成果報酬型の広告手法
それぞれの特徴・メリット・デメリットと、「集客 → 接客 → 販売促進」の3段階で施策を整理する考え方を解説。自分が担当する施策の位置づけがわかります。
vol.5:CTRとかCVRとかって何のこと? 数字の読み方と改善アクション
▶ vol.5:CTRとかCVRとかって何のこと? 数字をどう読み、どう動けばいい?
マーケティングの会議で飛び交うアルファベット3文字の指標。意味がわからないと、話についていけませんよね。
この記事では、効果測定の主要指標を計算式とセットで解説します。
- Imp(インプレッション):広告が表示された回数
- CTR(クリック率):クリック数 ÷ 表示回数 × 100
- CVR(コンバージョン率):コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100
- CPA(顧客獲得単価):広告費 ÷ コンバージョン数
- ROAS(広告費用対効果):売上 ÷ 広告費 × 100
数値が低いときの原因と対策まで解説。「数字を見て終わり」ではなく、「次にどう改善するか」まで考えられるようになります。
vol.6:KGIとKPIとは? マーケティング目標設定の基本
▶ vol.6:KGIとKPIとは? マーケティングの「宝の地図」の作り方
「何のためにデータを見るのか」を明確にするのが、KGIとKPIです。
- KGI(Key Goal Indicator):最終的に達成したいゴール(例:売上1億円)
- KPI(Key Performance Indicator):ゴールに向かう途中の指標(例:問い合わせ数100件)
この記事では、KGIとKPIの違いと関係性、KPIツリーで大きな目標を分解して改善ポイントを特定する方法、適切なKPIを設定するSMART基準(Specific・Measurable・Achievable・Relevant・Time-bound)を解説します。
PDCAサイクルで継続的に改善を回す考え方も紹介。「やりっぱなし」のマーケティングから卒業できます。
vol.7:マーケティングファネルとは? 顧客の購買プロセスを可視化する
▶ vol.7:マーケティングファネルがわかればもう迷わない。恋愛に学ぶ「ファネル」の話
顧客が商品を知ってから購入するまでのプロセスを「漏斗(じょうご)」の形で可視化したのがマーケティングファネルです。
この記事では、恋愛に例えてファネルをわかりやすく解説します。
【パーチェスファネル】購買までのプロセス
- 認知(Awareness):存在を知る
- 興味・関心(Interest):気になり始める
- 比較・検討(Consideration):他と比べる
- 購買(Purchase):買う・申し込む
【インフルエンスファネル】購買後のプロセス
- 継続(Loyalty):リピートする
- 紹介(Referral):人に勧める
- 発信(Advocacy):SNSで広める
「告白する前にやることがある」ように、マーケティング施策にも順番があります。ファネル思考で「手段の目的化」を防ぎましょう。
【第3章】Web広告の基礎|種類・選び方・効果改善
Webマーケティングの中でも特に重要なWeb広告について深掘りします。
広告の種類と選び方、そして費用対効果を最大化するためのCPA改善方法まで、実務で使える広告運用の基礎を学びます。
vol.8:Web広告の種類と選び方|目的別に最適な広告を選ぶ
▶ vol.8:Web広告って、結局どれがいいの? 目的別Web広告の選び方
「どの広告を出せばいいかわからない」という悩みを解決します。
この記事では、7種類のWeb広告を目的・ファネル段階別に整理します。
- ディスプレイ広告:認知拡大向け。Webサイトやアプリにバナーで表示
- SNS広告:認知〜興味喚起向け。X、Instagram、Facebookなど
- 動画広告:認知〜興味喚起向け。YouTubeなどで動画を配信
- リスティング広告:検討〜購買向け。検索結果に表示される広告
- ネイティブ広告:興味喚起向け。記事に溶け込む形式の広告
- リターゲティング広告:検討〜購買向け。サイト訪問者を追跡
- アフィリエイト広告:購買向け。成果報酬型で費用対効果が明確
電柱広告の例を使って「ターゲットがいる場所に出す」という広告の基本原則も解説します。
vol.9:CPAを下げるには? Web広告の効果改善メソッド
▶ vol.9:CPAが効果検証の要! できるだけお金をかけずにお客様に振り向いてもらおう
Web広告運用で最も重要な指標CPA(顧客獲得単価)を下げる方法を実践的に解説します。
CPAを改善するために見るべき数字は、実は2つだけ。
- CPC(クリック単価):1クリックあたりのコスト
- CVR(コンバージョン率):クリックからコンバージョンへの転換率
「見る → 探す → 直す」の3ステップで改善を繰り返す手順と、CPCが高い場合の対策(キーワード見直し、品質スコア改善など)、CVRが低い場合の対策(LP改善、フォーム最適化など)を紹介。よくある失敗パターンも解説します。
【第4章】マーケティング用語集|実務で使う専門用語を総まとめ
マーケティングの会議で飛び交う専門用語をテーマ別に整理して解説します。
「GDN」「DSP」「リタゲ」「オーガニック」——知らないと話についていけない用語を、初心者でもわかりやすく説明。最後の総合テストで理解度をチェックしましょう。
vol.10:マーケティング用語集|広告の種類と基本用語
▶ vol.10:マーケ用語を覚えておこう|広告の種類と基本用語編
Web広告の仕組みに関する用語を整理します。
- 純広告(予約型広告):枠を買い取って掲載する広告
- 運用型広告:リアルタイムで入札・最適化する広告
- アドネットワーク:複数の広告枠をまとめて配信する仕組み
- GDN:Googleディスプレイネットワーク
- YDA:Yahoo!広告のディスプレイ広告
- DSP / SSP / RTB:プログラマティック広告の仕組み
- リターゲティング広告(リタゲ):訪問者を追跡する広告
- ネイティブ広告 / インフィード広告:コンテンツに溶け込む広告
- PPC広告:クリック課金型の広告
- アフィリエイト広告:成果報酬型の広告
vol.11:マーケティング用語集|効果測定の指標用語
▶ vol.11:マーケ用語を覚えておこう|効果測定の指標用語
広告の効果を測る数値指標を計算式とセットで整理します。
【表示・クリック系】
- Imp(インプレッション):広告の表示回数
- CTR(クリック率):クリック数 ÷ Imp × 100
- CPC(クリック単価):広告費 ÷ クリック数
- CPM(インプレッション単価):広告費 ÷ Imp × 1000
【成果系】
- CV(コンバージョン):成果(購入・問い合わせなど)
- CVR(コンバージョン率):CV数 ÷ クリック数 × 100
【投資対効果系】
- CPA(顧客獲得単価):広告費 ÷ CV数
- ROAS(広告費用対効果):売上 ÷ 広告費 × 100
- ROI(投資収益率):(売上 − コスト)÷ コスト × 100
vol.12:マーケティング用語集|SEO・SEM関連用語
▶ vol.12:マーケ用語を覚えておこう|SEO/SEM関連用語編
検索エンジンまわりのマーケティング用語を整理します。
- SEM(サーチエンジンマーケティング):検索エンジンを活用したマーケティング全般
- SEO(検索エンジン最適化):無料で検索上位を目指す施策
- オーガニック検索(自然検索):広告以外の検索結果
- リスティング広告:検索連動型広告
- 検索クエリ:ユーザーが実際に検索した語句
- ビッグワード / ミドルワード / スモールワード:検索ボリュームによるキーワード分類
- 品質スコア:広告の品質を測るGoogle独自の指標
- 広告ランク:広告の掲載順位を決める指標
vol.13:マーケティング用語集|アクセス解析用語
▶ vol.13:マーケ用語を覚えておこう|アクセス解析用語編
Webサイトのアクセス解析で使う用語を整理します。
【訪問を測る】
- PV(ページビュー):ページが閲覧された回数
- UU(ユニークユーザー):サイトを訪れた人の数
- セッション数:サイト訪問の回数
【行動を測る】
- 直帰率:1ページだけ見て離脱した割合
- 離脱率:各ページからサイトを離れた割合
- 回遊率:1セッションあたりのPV数
- 滞在時間:サイトにいた時間
【流入元を知る】
- 参照元(リファラー):どこから来たか
「PVは多いのに成果が出ない」原因を見つけるヒントになります。
vol.14:マーケティング用語 総合テスト|50問で理解度チェック
vol.10〜13で学んだマーケティング用語の理解度をチェックする50問の総合テストです。
1問2点の100点満点方式。「なんとなく分かる」から「人に説明できる」レベルになれているか、確認してみましょう。
間違えた問題こそ、実務で出会ったときに印象に残りやすくなります。ぜひチャレンジしてみてください。
全14回、お疲れ様でした!
マーケティングの基礎から専門用語まで、体系的に学ぶことができたのではないでしょうか。
ここで学んだ知識は、実際の業務で使ってこそ身につきます。最初から完璧にできる人はいません。分からないことがあったら、いつでもこのページに戻ってきてください。
マーケティングは、やればやるほど面白くなる仕事です。頑張ってくださいね!
岡 健作(おか・けんさく)
スタディーハッカー 代表取締役社長
1977年生まれ、福岡出身。同志社大学卒業。2010年に創業。「Study Smart(合理的に学ぶ)」をコンセプトに、科学的知見に基づく英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」を設立し、人気ブランドへと成長させる。 事業拡大の要として、自らオウンドメディアとSNSの編集長を兼任。オウンドメディアは最大500万PV、Instagramでは月間700万PV、フォロワー27万人規模のメディアにするなど、広告費に依存しない集客モデルを確立する。現在はその知見を活かし、「企業の認知獲得の専門家」として、論理とデータに基づいた再現性の高いメディア戦略・ブランディング論を発信している。
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